軍艦のプラモを作る際に結構迷うのが、どの塗料を買ったら良いのか、ということ。
エナメル、アクリル、ラッカー系といった種類に、タミヤ、クレオスといったメーカーの違いもあり、同じ名前の色なのにメーカーによって色味が違う…なんてこともざらだったりします。
さらに、キットによっては塗料番号で指定されているのもあれば、古いキットだと「灰色」なんていうざっくりした指定のものも。
そこで「これは買った方がいい!」という塗料をご紹介したいと思います。
※使いやすさを優先し、溶剤系アクリル樹脂塗料を使用しています。
そのため、シンナーなどの溶剤が必要となりますので、臭いに敏感な方はご注意ください。
■クレオス Mr.カラー
かならず必要になるのは、クレオスのMr.カラーの以下の色。
- Mr.カラー C33 つや消しブラック:基本色で、煙突などに使用します。
- Mr.カラー C62 つや消しホワイト:これも基本色、内火艇や天幕などで使用。グレーの明度調整にも。
- Mr.カラー C32 軍艦色 (2) :横須賀工廠色ですが、呉とかの艦でも気にしなくても大丈夫。調整したい方は白黒を混ぜればOK。
- Mr.カラー C29 艦底色 :重巡などの大型艦では必要ない場合も。
- Mr.カラー C44 タン:戦艦などのデッキ部分に使用します。
- Mr.カラー C43 ウッドブラウン:駆逐艦、軽巡洋艦、重巡洋艦などのリノリウム部分に使用します。リノリウム色は特色セット品でしか買えないので、単品ではこちらを使います。
- Mr.カラー C28 黒鉄色:機関銃の砲身などに使用します。
上記の塗料は筆塗り用のものですので、面積が広いパーツを塗るときには、スプレー缶があると便利です。
Mr.カラースプレー 軍艦色 (2) S32は船体の塗装の際にとても便利ですし、購入するのがお勧め。
組み立てる前に全体を着色しておくと、作業が楽になります。
また、戦艦などの甲板が木の場合はMr.カラースプレー タン S44があると便利です。
すべて筆塗りだと結構つらいですからね。
完成した後、Mr.トップコートつやけし B503を最後に吹くことでつやを整えることが可能ですので、1本持っておくと良いかもしれません。
軍艦色ですが、艦これとのタイアップ製品である艦これ 旧日本海軍工廠 標準色セットというセット品もありますが、1色ずつバラで売っていないので足りなくなったときに不便です。
なので、まずは定番カラーの軍艦色(2)で良いと思います。
■タミヤ エナメル
また、タミヤのエナメル塗料(四角い小瓶)で、以下の塗料があると便利です。
- タミヤ エナメル塗料 XF−1 フラットブラック:ウェザリング、墨入れなどに使用。張り線の着色にも。
- タミヤカラー エナメル XF-2 フラットホワイト:内火艇や天幕などに使用。Mr.カラーよりも塗りやすいので、こちらがオススメ。
- タミヤカラー エナメル XF-64 レッドブラウン:ウェザリングの錆や垢の表現に使用
- タミヤカラー エナメル塗料 XF55 デッキタン:内火艇などの小物用に。
- タミヤ エナメル塗料 X−12 ゴールドリーフ:菊花紋章や一部金属パーツ用。圧倒的にエナメルの方が塗りやすいです。
エナメル塗料はとても筆で塗りやすいので、小物の塗装などにオススメです。
Mr.カラーの上に塗っても、下地を侵さないため、何度も手直しが出来るのもメリットです。
特に、グレーで塗ったパーツの上に白を塗る場合などは、Mr.カラーの筆塗りでは綺麗に着色できないことがあるので、エナメル塗料を持っておくと便利です。
※Mr.カラーどうしを塗ると、下の塗料が溶けて色が混ざってしまう
タミヤカラーはエナメルとアクリルで色型番が同じなので、注文するときに要注意です。
解りづらいんじゃー!
■溶剤など
Mr.うすめ液 (大) T103とタミヤカラー エナメル X-20 溶剤大びんは必須。
Mr.うすめ液は特大サイズは必要ないと思いますが、掃除や塗料を薄めるのに使いますから、大サイズがあると便利です。
エナメルはそこまで大量には使わないので、大びんで間に合うと思います。
あと、筆の洗浄用にMr.ツールクリーナー改 T113もあると良いです。
洗浄能力が強すぎるため、プラスチックも溶かすのでプラパーツへの使用は厳禁です。
あと、持っていると便利なのがリターダーシンナー。
Mr.カラーの揮発を遅くし、筆塗りしやすくなります。
クレオスのMr.リターダーマイルドが便利ですね。
ほかには、タミヤのスミ入れ塗料(ダークブラウン)No.140があると便利です。
この塗料はエナメル塗料のダークブランをベースに薄くのばしたものを、筆付きの容器に入れたものですので、塗料を薄めて使えば代用は可能ですから、必ずしも必要というわけではありません。
ただ、こちらの製品だと最初から筆が付いていますし、希釈する必要がないため使い勝手が良いのが特徴。
エナメルなので、エナメル溶剤で塗装を落としたり、薄くしたりすることもできるので、表現の幅が広がります。
1つ持っていて損はないと思います。
色はブラックも出ていますが、錆などの汚れにはダークブラウンのほうが適していると思います。
一番左のマークセッターは、デカールを綺麗に貼り付ける時に使います。
塗料とは違いますが、これがあるとデカールを貼ったときの仕上がりがまったく異なりますので、持っておくと便利です。
これだけ買い込んでも、塗料は1つ150円程度ですから、さほど値段はかかりません。
パソコンパーツの値段になれてしまうと、プラモって安くていいですよね…
■塗装例
・リノリウム色
巡洋艦~駆逐艦の甲板にある、横に筋の入っている部分はリノリウムになりますので、リノリウム色またはウッドブラウンで塗装します。
戦艦の場合は木の板が貼られていましたので、タンまたはデッキタンで塗装します。
リノリウム押さえ(横線の凸モールド)は巡洋艦は真鍮、駆逐艦はブリキだったそうですので、塗る場合は巡洋艦は金色、駆逐艦は銀色が良いと思います。
ただ、塗るとどうしても出来映えが微妙ですので、極細の線を貼り付ける方法がオススメです。
・軍艦色(2)
船体は軍艦色(2)で塗装します。
実際には工廠ごとに差がありますが、1/700の場合は違っていてもそれほど違和感はありません。
気になる場合はホワイトやブラックで調整する、あるいは特色セットを買うといいかと思います。
一番良く使う色ですので、エアブラシを持っていない方は、スプレー塗料を買っておくことをお勧めします。
・つや消しブラック
煙突の先、後部マストの上の方などは、つや消しブラックで塗装します。
Mr.カラーと、筆塗り用のタミヤエナメルカラーの両方を買っておくと便利です。
特に、エナメルはウェザリング塗装にも使いますので、揃えておいたほうが良いでしょう。
・タン or デッキタン
戦艦の場合は甲板がタンまたはデッキタンとなりますので、スプレー塗料を買っておくのがお勧め。
巡洋艦、駆逐艦の場合は内火艇などでタンを使用します。
Mr.カラーは黄色みが強く、タミヤのエナメルは彩度が抑えてあるのでかなり色味が異なります。
内火艇などの小さいパーツには、エナメルのほうが便利です。
これも両方とも買っておくか、戦艦を作らないのであればタミヤのエナメルだけでも大丈夫です。
・つや消しホワイト
内火艇の内側や幌、主砲の可動部のカバーなどいろいろな部分で使用します。
また、碍子の再現などにも使えます。
広い面積を塗ることはまずありませんから、筆塗り用にタミヤのエナメルだけで間に合うと思います。
※エナメルとアクリルを壮大にミスってましたので、訂正しました。
お勧めなのはエナメルです。
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