艦これでプラモをはじめた方に~必要な塗料について

軍艦のプラモを作る際に結構迷うのが、どの塗料を買ったら良いのか、ということ。
エナメル、アクリル、ラッカー系といった種類に、タミヤ、クレオスといったメーカーの違いもあり、同じ名前の色なのにメーカーによって色味が違う…なんてこともざらだったりします。
さらに、キットによっては塗料番号で指定されているのもあれば、古いキットだと「灰色」なんていうざっくりした指定のものも。
そこで「これは買った方がいい!」という塗料をご紹介したいと思います。

※使いやすさを優先し、溶剤系アクリル樹脂塗料を使用しています。
そのため、シンナーなどの溶剤が必要となりますので、臭いに敏感な方はご注意ください。

■クレオス Mr.カラー

Mr.カラー

かならず必要になるのは、クレオスのMr.カラーの以下の色。

上記の塗料は筆塗り用のものですので、面積が広いパーツを塗るときには、スプレー缶があると便利です。
Mr.カラースプレー 軍艦色 (2) S32は船体の塗装の際にとても便利ですし、購入するのがお勧め。
組み立てる前に全体を着色しておくと、作業が楽になります。
また、戦艦などの甲板が木の場合はMr.カラースプレー タン S44があると便利です。
すべて筆塗りだと結構つらいですからね。
完成した後、Mr.トップコートつやけし B503を最後に吹くことでつやを整えることが可能ですので、1本持っておくと良いかもしれません。

軍艦色ですが、艦これとのタイアップ製品である艦これ 旧日本海軍工廠 標準色セットというセット品もありますが、1色ずつバラで売っていないので足りなくなったときに不便です。
なので、まずは定番カラーの軍艦色(2)で良いと思います。

■タミヤ エナメル

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また、タミヤのエナメル塗料(四角い小瓶)で、以下の塗料があると便利です。

エナメル塗料はとても筆で塗りやすいので、小物の塗装などにオススメです。
Mr.カラーの上に塗っても、下地を侵さないため、何度も手直しが出来るのもメリットです。
特に、グレーで塗ったパーツの上に白を塗る場合などは、Mr.カラーの筆塗りでは綺麗に着色できないことがあるので、エナメル塗料を持っておくと便利です。
※Mr.カラーどうしを塗ると、下の塗料が溶けて色が混ざってしまう

タミヤカラーはエナメルとアクリルで色型番が同じなので、注文するときに要注意です。
解りづらいんじゃー!

■溶剤など

Mr.うすめ液 (大) T103タミヤカラー エナメル X-20 溶剤大びんは必須。
Mr.うすめ液は特大サイズは必要ないと思いますが、掃除や塗料を薄めるのに使いますから、大サイズがあると便利です。
エナメルはそこまで大量には使わないので、大びんで間に合うと思います。
あと、筆の洗浄用にMr.ツールクリーナー改 T113もあると良いです。
洗浄能力が強すぎるため、プラスチックも溶かすのでプラパーツへの使用は厳禁です。

あと、持っていると便利なのがリターダーシンナー。
Mr.カラーの揮発を遅くし、筆塗りしやすくなります。
クレオスのMr.リターダーマイルドが便利ですね。

マークセッター・リダーターシンナーなど

ほかには、タミヤのスミ入れ塗料(ダークブラウン)No.140があると便利です。
この塗料はエナメル塗料のダークブランをベースに薄くのばしたものを、筆付きの容器に入れたものですので、塗料を薄めて使えば代用は可能ですから、必ずしも必要というわけではありません。
ただ、こちらの製品だと最初から筆が付いていますし、希釈する必要がないため使い勝手が良いのが特徴。
エナメルなので、エナメル溶剤で塗装を落としたり、薄くしたりすることもできるので、表現の幅が広がります。
1つ持っていて損はないと思います。
色はブラックも出ていますが、錆などの汚れにはダークブラウンのほうが適していると思います。

一番左のマークセッターは、デカールを綺麗に貼り付ける時に使います。
塗料とは違いますが、これがあるとデカールを貼ったときの仕上がりがまったく異なりますので、持っておくと便利です。

これだけ買い込んでも、塗料は1つ150円程度ですから、さほど値段はかかりません。
パソコンパーツの値段になれてしまうと、プラモって安くていいですよね…

■塗装例

重巡利根の塗装例です。
利根 塗装例

・リノリウム色
巡洋艦~駆逐艦の甲板にある、横に筋の入っている部分はリノリウムになりますので、リノリウム色またはウッドブラウンで塗装します。
戦艦の場合は木の板が貼られていましたので、タンまたはデッキタンで塗装します。
リノリウム押さえ(横線の凸モールド)は巡洋艦は真鍮、駆逐艦はブリキだったそうですので、塗る場合は巡洋艦は金色、駆逐艦は銀色が良いと思います。
ただ、塗るとどうしても出来映えが微妙ですので、極細の線を貼り付ける方法がオススメです。

・軍艦色(2)
船体は軍艦色(2)で塗装します。
実際には工廠ごとに差がありますが、1/700の場合は違っていてもそれほど違和感はありません。
気になる場合はホワイトやブラックで調整する、あるいは特色セットを買うといいかと思います。
一番良く使う色ですので、エアブラシを持っていない方は、スプレー塗料を買っておくことをお勧めします。

・つや消しブラック
煙突の先、後部マストの上の方などは、つや消しブラックで塗装します。
Mr.カラーと、筆塗り用のタミヤエナメルカラーの両方を買っておくと便利です。
特に、エナメルはウェザリング塗装にも使いますので、揃えておいたほうが良いでしょう。

・タン or デッキタン
戦艦の場合は甲板がタンまたはデッキタンとなりますので、スプレー塗料を買っておくのがお勧め。
巡洋艦、駆逐艦の場合は内火艇などでタンを使用します。
Mr.カラーは黄色みが強く、タミヤのエナメルは彩度が抑えてあるのでかなり色味が異なります。
内火艇などの小さいパーツには、エナメルのほうが便利です。
これも両方とも買っておくか、戦艦を作らないのであればタミヤのエナメルだけでも大丈夫です。

・つや消しホワイト
内火艇の内側や幌、主砲の可動部のカバーなどいろいろな部分で使用します。
また、碍子の再現などにも使えます。
広い面積を塗ることはまずありませんから、筆塗り用にタミヤのエナメルだけで間に合うと思います。

※エナメルとアクリルを壮大にミスってましたので、訂正しました。
お勧めなのはエナメルです。

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プラモをはじめた方向けの、下記のコンテンツもご参照くださいませ~

ウォーターライン制作に必要な工具・接着剤など
艦これで艦船模型をはじめた方に : メーカーごとの特色について
1/700軍艦プラモ製作にお勧めの瞬間接着剤
艦船模型のお手軽ウェザリング術

1/700 水密扉の決定版?! MKモデル MS-70006

お手軽ディティールアップにお勧めなのが、水密扉のエッチングパーツ化。
プラモールドだとのっぺりした感じなのですが、エッチングパーツにするとぐぐっと引き立ちます。
さらに、扉を開けた状態も再現できますし、定番といっていいアイテムだと思います。

そんな水密扉ですが、これといって気に入るエッチングパーツがなかなか無く…。
とうとう探し当てた、私的にはイチオシなのが、MKモデルのMS-70006。

KAモデル MS-70006 水密扉

セットにはドアの開き状態を再現するための、折り曲げて取り付けるパーツも付属します。
閉じた状態にもできますので、汎用性があって便利です。
ただし、閉じた状態にするには加工が必要なので、面倒といえば面倒。

KAモデル MS-70006 水密扉

そこで便利なのが、この貼り付ければ良いだけの、お手軽タイプ。
しかもサイズが3種類と豊富で、かなり数も多く、いろいろなところに使えます。
ただし、1つだけ残念なのが…一番大きな扉、せっかく窓が開いているのはいいのですが、上下位置が逆では…?(^^;;;
まあ、組み立ててしまえばほぼ見えないので良いのですが。
気になる方は下は塗料などで塞ぎ、上にピンバイスで穴を開けるといいかもしれません。

このMS-70006、今ではかなり流通量が少なく、見つけるのが難しかったりします。
ちょいと前はフジミが扱っていたみたいなんですけどね。
セットになっている扉の数も多く、KAモデルのエッチングパーツは値段も安いので、1つ持っておくと便利ですよ。

 

 

各社の1/700 手すりエッチングパーツを比較してみる

1/700の艦船をぐぐっとディティールアップしてくれる、手すりパーツ。
ライオンロア、フライホーク、MKモデルといった各社からリリースされていますが、私が買ったものの中から、それぞれの出来について比較したいと思います。

 

■ライオンロア R7028 WW2 日本海軍 手すりセット 3

ライオンロア製の手すりセット。
今まで使った製品のなかでも、ダントツに細いのがこれ。

さらに、
・間隔の短いチェーンタイプ(たるみがあるもの)×5本
・間隔が広いチェーンタイプ×5本
・たるみの無い直線タイプ×2本
・1段手すりが2種類×各2本
・下段がメッシュになっている手すり×2本
・艦首用の角度が付いているものが2種類×各2本
とボリュームもたっぷり。

長さは1本あたり14cmとそれなりにボリュームがあります。
ただし、個人的には直線タイプの手すりが5本あるとうれしかったですね…結構このタイプ使いますので。

素材はステンレスなので、独特のこしというか、反発力がありますので、扱いは少々難しいです。
ただし、激細なのですぐに曲がりますし、硬さはありません。
激細なぶん、接着面積も激細ですから、扱いは一番難しいです。

 

手すり

フィルムにゴミが付いているので汚いですが…これくらい、ダントツに細いです。
これを使ってしまうと、他の手すりが太すぎて違和感ありまくり。
逆に、他のエッチングパーツとのバランスを考えると、すべて同じ細さで揃えないと違和感があるので、使いづらいときもあります。

 

手すり 

割と貴重な、下段がメッシュ状になった手すりも付属します。
一部の駆逐艦とかで使われていたタイプかな…?

 

DSC_2401

 

大井に使ってみたのが、こちら。
きわめて細いのが解りますでしょうか。
縮尺としてはこれくらい細いほうが違和感は無いのですが、他のエッチングパーツと組み合わせて使うと、細すぎて違和感がある場合もあるので注意です。
でも、単体で使うと、ずば抜けて細くて良い感じです。

 

■ライオンロア LE700023 日本海軍 手すりセット 2

こちらは同じライオンロアですが、型番が異なる旧製品(?)。
1本あたり14cmとR7028と同じですが、
・チェーンタイプの間隔が短いもの×6本
・チェーンタイプの間隔が長いもの×6本
・艦首用の角度が付いたもの2種類×各2本
と、本数は少なめになっています。

また、割と太さがあり、フライホークと同じくらいです。
ただし、厚さはぺらっぺらのステンレスですから、厚みはないのに太さだけはあるという、ちょっと違和感のある仕上がりになっています。
薄いので接着が難しいのも、ライオンロアならではといった感じ。

 

エッチング 手すり

上のR7028に比べると圧倒的に太さが違うのが解ります。
でも、厚さはないのでペラペラ。ちょっと違和感があります。

 

エッチング 手すり

艦首用の角度がついたのはこんな感じ。
角度はかなりおとなしめです。

 

DSC_2409

使用例はこちら(阿賀野)。
側面から見ると真鍮製くらいの太さがあるにも関わらず、薄っぺらいのが解りますでしょうか。
ちょっと、イマイチな気がします。

 

■フライホーク FH700019 日本海軍 手摺 錨見台

真鍮製で使いやすい、フライホークの手すりセット。
支柱の間隔は広めタイプの1種類のみ。
1本あたり11cmと短めですが、そのかわり、チェーンタイプが8本、直線タイプが6本と数は多め。
ジャッキステーと1段手すりも少し付いてくるので、汎用性があって便利です。
鎖見台も4つ付いてくるのが貴重かもしれません。

細かさはライオンロアのLE700023と似ています。
フジミなどの純正エッチングパーツに付いてくる手すりよりも、心持ちちょっとだけ細いかな、といった感じです。
真鍮製で、厚さもそこそこあるので取り付けや取り回しは簡単そうです。

 

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真鍮製の手すり。
なんとなく、2段目(真ん中)のチェーンの位置が下にずれているような気がします…

 

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ジャッキステーが付属するのが、個人的にはうれしいですね。
太さもそこそこあるので、かなり使いやすそうなジャッキステーです。

 

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こちらの手すりは雪風に使ってみました。
真鍮の加工のしやすさ、少し厚めなこともあって接着しやすく、便利です。
今のところ、一番気に入っている手すりエッチングパーツです。

 

■KAモデル KAMS70002 日本海軍艦船用手すり

すでに手すり部分は使い果たしてしまったため、写真でご紹介。

子日

この子日で使っているのがKAモデルの手すりセット。
かなり太いほうで、フジミなどの純正エッチングパーツの手すりとほぼ変わりません。
素材は真鍮ですので、取り扱いはとても楽。

このエッチングパーツ、商品名は手すりとなっていますが、窓枠や梯子としても使えるパーツが半分以上を占めます。
手すりとして買うとちょっと物足りない(すぐに使い果たしてしまう)のですが、梯子とかは便利に使えます。
ただ、大きさがちょっと微妙というか、中途半端な感じなんですよね…

 

DSC_2403

比較用に拡大してみました。
悪くない出来なのですが、他社製と比べて手すりの柱の間隔が狭いのがちょっと気になりますね…
手すりの数が少ないので、あっという間に使い終わってしまうため、あまりお勧め出来ません。