現在、艦船模型を作るときに張り線で使用しているのは、0.15号のナイロン水中線です。
0.15号のナイロン線は直径が0.064 mmで、1/700スケールでは45mmとなります。
ちょっとオーバースケールですが、ナイロン線ではこれくらいが一番細いため、しょうがないところです。
実際に使用してみると上記のような感じになります。
手前の浦風はマストにキットのプラスチックパーツをそのまま使用しているので、マスト自体が太く、張り線もそこまで太く見えません。
奥の雪風は0.3mmの真鍮線でマストを作成しているため、できればもう一回り細いほうが良さそうかも、といった感じです。
ナイロン線による張り線の欠点として、まっすぐに、ある程度テンションをかけて貼る必要がある、という点があります。
軽くテンションをかけて貼らないと、だらーんと垂れてしまうんですね。
しかも、ナイロンなのであっちゃこっちゃの方向に垂れるため相互に絡んでしまい、どうみても美しくありません。
さらに難しいのが、マストなどはテンションをかけると引っ張られて位置が微妙にずれるため、先に張った線が他の線をとりつけた後に見てみるとたるんでる…なんてことが多々あります。
ある程度は熱した鉄片を近づけることで張り線を収縮させ、補正することも可能そうですが、あまりテンションをかけすぎるとハンダ付けしたマストなどはパーツが曲がってしまう、なんてことも。
現在使っているのが、このバリバス エクセラ鮎の0.15号。800円弱の価格で30mですから、失敗しまくっても大丈夫なコストがいいところ。
ただし、無色透明ですから着色が必要になります。
着色はタミヤのエナメル塗料を使うと、被膜を薄くすることができるのでオススメ。
線が密集していないところはあとから着色すればOKですが、艦橋付近などは後から着色すると線がくっついてしまうため、先に着色しておくことをお勧めします。
張り線を接着する際、瞬間接着剤の硬化促進剤を使う方法を紹介しているサイトを多数見かけますが、私はあの促進剤って苦手なんですよね。
一番の欠点は、促進剤をスプレーしてしまうと、近くに接着しようと思った際に、接着前に接着剤が硬化してしまうこと。
接着したい箇所にすでに促進剤が付いていると、その影響で近づけただけで固まっちゃうんです。
そのため、密集して複数のパーツを取り付けたいところでの使用はできるだけ避けた方が良いと思います。
もしくは、小型の容器にスプレーし、液剤を細い筆の先に付け、筆を近づけるようにして硬化を促す方法もあります。
このほうが他の場所への影響はないので、お勧めです。
今まではナイロン線を使っていましたが、現在作っている扶桑から、メタル張り線を使うことにしました。
メタル製なので絡むこともなく、かつ巻癖があるので重力で垂れた感じを再現できるのも魅力。
さらに、太さも直径0.037 mmという、0.05号といった製品もラインナップされているので、ほぼ実寸通りに近づけることが可能です。
購入したあゆゲッターはチタンブラックなので、着色しないで使えるのも魅力です。
現在、艦尾の艦載機用の軌条を取り付けていますので、これが終わったら艦橋の張り線ではじめて使う予定。
どんな感じか、後日レポートしていきたいと思います。
メタル線はコストが高いこともあって無駄遣いできないため、出来るだけロスを少なくするために張る部分に応じた長さ分を切り取る必要があります。
長さを測る際に便利そうなのが、ディバイダと呼ばれる道具。
海図などの距離を測定するためのもので、見た目はコンパスのような感じですが、足の両方がピンになっています。
昨日アマゾンで購入したので、今日くらいには届くかな?使ってみるのが楽しみであります。
実際にあゆゲッターを使って張り線をしてみたのがこちら。
細くて良い感じです。
コツについては、後日に別の記事としてまとめてみたいと思います。