取り付けるとぐぐっとディティールが増すエッチングパーツの手すりですが、慣れないとなかなか綺麗に取付ができません。
そんな手すりですが、接着剤を使い分けることで比較的簡単に、かつ綺麗に取り付けることが可能です。
今回は、私が使っている方法をご紹介したいと思います。
用意するもの
- フライホーク FH700019 日本海軍 手摺 錨見台
- ロックタイト 強力瞬間接着剤 ピンポインター ゼリー状
- アロンアルフアEXTRAスティックスリム
エッチングパーツですが、今回はフライホークのFH700019を使用します。
真鍮製で加工もしやすく、チェーンタイプとバータイプの2種類の手すりが入っているので、いろいろなところで使えるお勧め品です。
艦首のフレアの箇所で使用するためのカーブが付いたパーツが付属するのも良い感じ。
ただ、実際にはもっとカーブが急なことが多いので、加工が必要だったりします。
良い製品なのですが、入手性があまりよくありません。
レインボーモデルの下記製品も似たような内容ですので、こちらでも良いかもしれません。
瞬間接着剤は2種類使用します。
最初に手すりを固定するためのゼリー状瞬間と、手すり全体を船体に固定するためのスティックタイプです。
どちらかだけでは作業が非常に面倒なので、両方買っておくことをお勧めします。
アロンアルフアEXTRAスティックスリムですが、湿気を吸って粘性が出てしまうと作業に支障を来しますので、価格も安いため2つ買っておくと便利です。
作業するにあたって、瞬間接着剤の硬化促進スプレーは使用しません。
これを使ってしまうと、スプレーした場所にスティックタイプの瞬間接着剤を付けようとすると、スティックを近づけただけで硬化してしまうため、作業になりません。
しかも、そのままスティックを戻すと残りの接着剤もゲル化して一気にゴミになります。
Step1:手すりをあらかじめ着色する
船体に手すりを取り付ける場合、すでに甲板のリノリウムを塗ってあったり、部品を取り付け終えて最後に作業することが多いため、塗装していない手すりを使うとあとから着色するのが非常に面倒となりますので、先に着色しておきます。
着色は筆塗りだと厚ぼったく、ムラが出ますのでスプレー塗料を使いましょう。
Step2:手すりを切り出す
着色した手すりを切り出します。
クラフトナイフの刃を新しいものに交換し、エッチングパーツの手すりを切り出していきます。
カッティングボードは柔らかいため、切り出す際カッティングボードの上で切断すると手すりが曲がってしまいます。
必ず金属板の上など、固いものの上で切断します。
Step3:2cm程度だけ船体に接着
手すりの端2cm程度にゼリー状瞬間接着剤を付け、甲板に固定します。
手すりは非常に細いため、ゼリー状でないと接着剤がうまく付きません。
瞬間接着剤を付けたら、船体に固定します。
手すりは長いため、徐々に接着していく必要があります。
一気に作業しようと手すり全体に接着剤を付けてしまうと、思わぬところにくっついたり、位置を決めている間に接着剤が硬化してしまったりします。
このため、面倒でも最初は2cm~3cm程度を接着するようにします。
Step4:残りの部分を船体に接着
ゼリー状瞬間で固定した手すりがきちんと取り付けられているか確認します。
問題なさそうであれば、スティック状瞬間接着剤を使用して残りの部分を接着していきます。
スティックには瞬間接着剤が付いています。
スティックの先端を手すりと船体の境目に当て、隙間に瞬間接着剤を流し込んでいきます。
スティック状瞬間接着剤は非常に粘性の低い状態ですので、スティックの先端を手すりと船体の隙間に当てると、隙間に吸い込まれて綺麗に流し込むことが可能です。
手すりは手で押さえるか、あるいはマスキングテープを使って舷側のラインに沿うように調整をしてから、接着剤を流し込むと綺麗に仕上がります。
【注意】
スティック状瞬間接着剤ですが、必ずスティックの先を上に向けて作業を行ってください。
スティックを下に向けて作業すると、スティックに付いた接着剤が一気に船体に流れてしまい、接着剤だらけの悲惨な状況に陥ります。
リノリウム押さえを再現している場合、真鍮線の分だけ甲板に凸凹があるため、手すりが綺麗に付かない(隙間が空いてしまう)ことがあります。
必ず、外側の0.5~1mm程度隙間が空くよう、リノリウム押さえを貼り付ける必要があります。
接着剤が固まったら完成!
流し込んだ接着剤が固まり、手すりがしっかりと取り付けされたら完成です。
接着剤ですが、手すり全域にわたって流し込む必要はありません。
適当に間を空けつつ、半分くらい接着できていれば剥がれることはありません。
多少隙間ができてしまいますが、ほとんど気にならないレベルなので問題無いと思います。
気になる場合は、船体と同じ塗料を面相筆に含ませ、隙間に流し込んでいけば埋めることが可能です。
接着剤やパテを使うよりも簡単ですので、こちらの方法がお勧めです。
塗料を薄めすぎて粘性を下げてしまうと毛細管現象であらぬところに広がってしまうので、筆先で塗料が置けるくらいの「ちょい固め」くらいが良いと思います。