chorale製845真空管搭載アンプを買ってみた

300Bな真空管アンプを買う際に気になっていたのが、弩級出力管の211/845を搭載したアンプ。
電圧1000V(!)というスゴいスペックを要求する真空管で、それだけに上手く鳴らすには工夫も必要で、必然的にアンプの価格もかなり高額に属します。
しかし、そこはさすがチャイナパワー、845を搭載しているにもかかわらず1桁万円で買えてしまうアンプを作っております・・・。
そんな逸品が、chorale製のコイツ。
電源周りがかなりアレな設計なのと、中身もチープなこともあって845本来の音が出せていないという意見もありますが、パーツを買うより安く買えてしまうそのコストダウン能力はスゴイものがあります。

今回、放出されていた難あり品を見かけて、思わずポチってしまいました。
いいんです、一度845の弩級さを味わってみたかっただけなんです…
さて、さっそく真空管から見ていきましょう。

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……なんですか、このデカさ。
上に載っている箱は、一般的なGT管などを入れる箱。
下が845真空管の箱。
まあ、箱だけデカいってこともあるし。

chorale 845

中身もガチでしたーーー!
うん…6SN7がベース部分くらいの大きさだよ…。
いやー、デカいですね-!楽しみ!!
しかし…ベース部分の造形が雑ですね…

chorale 845

さて、ワケあり品なのには理由があって、インプットセレクターがガタガタしておりました。
これくらいなら簡単に直せるだろう、ってことでまずは開腹。

うーん、中スッカラカンですな。っていうかよく言えばシンプル、簡素、悪く言うとチープ。
まあ値段が値段だし。
真空管の持ち味を最大限活かすために余計なパーツを極力排除している、と前向きに考えることにします。
それにしても、部品点数もこんなに少なくて、スッカスカで大丈夫なのか…内部配線のケーブルの太さも頼りないし。
中のケミコンは日本製使っているようにも見えますが、中身は中国製の偽物という可能性も多々ありますので油断できません。
一応、BIAS調整用?っぽい可変抵抗器もついていますね。

ネットで他のchorale 845アンプを見てみると、どうも内部もいろいろとバリエーションというか手が加えられているっぽいです。
パーツの数が違ったりとか。
今回購入したのは内部配線かなり綺麗な方だと思います。

不具合の原因は、ボリュームに切られたネジが、ちょうどナットで締める部分だけ削れていて、噛み合っていなかった様子。
それならナットの方も変形させてしまえば宜し、ということでナットを軽く潰して取り付けたところ、しっかりと固定できました。

ちなみにこの845、1000Vもの電圧を必要とするだけに、初心者がいきなり自作して死人が出たとかいう都市伝説も存在するらしく。
まあ、1000Vだしね…。
その割には中の配線こんなんでいいのか?
実はchoraleのは電源貧相でアンペア数は大したことないとか…?

chorale 845

裏蓋を閉めて、いざスイッチオン!
無事、845のヒーターが灯って音が出ることを確認しました。
…ていうか、眩しっ!!!
300Bとかに慣れてると、なんですかこれ、電球ですか?って感じ。
正に煌々と輝いております。
これだけ光っていますから、当然放射熱もビシバシと伝わってきます。

chorale 845

触ったらやけど確実な845ですが、一体何度になっているか…ということで内部のプレートの根元を測定してみました。
…MAX196.7度。やばい温度です。このあとしばらくして測定したら、220度まで温度上がってました…。
いやー、これ、夏使えないよね…。
オーディオは暖房器具です。

chorale 845

845のある風景。
手前のiPhoneと比べて、その巨大さが解るでしょうか。
今はONKYOのスピーカーに繋いでますが、先日castleのブックシェルフを衝動買いしてしまい…orz
100% Made in UKなスピーカーで、真空管で鳴らすにはいいんじゃね?!TANNOY買えないし!!ということで納得して買ってしまいました。

chorale 845

付属する真空管は、前段もチャイナな安物だったのですが、手持ちで余っていたPhilipsECGな6SN7に交換しました。
黒ベースのほうがしっくり合いますね。
本当はコインベースのほうがデザイン的には845とおそろいなんですが、このアンプのために真空管買い直すのもなぁ…ということで。
しかし、845デカい…

肝心な音ですが、繋いでいるスピーカーが微妙なD-112E LTDなのでなんともですが、思ったよりはマトモ。
ただ、やはり電源周りの貧弱さに起因するためか低音域に厚みが無いのと、ボリュームを上げると歪んでいるような気がします。
とはいっても、音の雰囲気はやはり真空管の暖かさはあり、同価格帯のトランジスタアンプとはまったく違うと思います。

価格についてですが、為替の関係もありかなり上下しているようですが、個人的には5万円くらいなら買っても良いと思います。
その価格に音の良さの価値はあるかというと微妙ですが、3万円くらいのアンプに、真空管アンプという面白さ&845という巨大な真空管の面白さのプレミアが乗っていると思えば納得できます。
7~8万円になるのであれば、2A3などの中古アンプも買える価格帯ですので、おすすめはしません。同価格帯で、もっと音が良い真空管アンプは多々あると思います。
どうしても845がいい!というのであれば別ですが。
購入を考えている方は、ヤフオクで中古をのんびり探すのが、一番良さそうな気がします。

三座水偵完成しました

高雄に搭載予定の、三座水偵(零式水上偵察機)&零式水上観測機。
せっかくエッチングパーツも付いてくるので、いろいろディティールアップしてみました。
1機はカタパルトに載せるので翼はそのままで良いとして、もう1機は甲板に載せるので翼を折りたたんでみました。

キットのものをそのまま使うと翼がありえないくらいぶ厚いので、まずは翼を削るところからはじめます。
精密ヤスリでガシガシと適当に削ったあと、1000番のスポンジペーパーで削ると表面がなだらかになって良い感じに。
キャノピーフレームはエッチングパーツが付いてきたので、削って付け直します。

零式水上偵察機

途中まで作った状態がこちら。
翼が良い感じで薄く仕上がっているのが解るかと思います。
これ以上削ると折れる&面積が小さくなってしまうので、たぶんこれくらいが限界かも。

零式水上偵察機

こちらが完成した零式水上偵察機(三座水偵)。
元のキットから、フロートの支柱とプロペラ、キャノピーフレーム、アンテナ支柱をエッチングパーツに置き換えています。
プロペラは取り付ける前にひねって角度を付けています。
細かいことですがこの一手間を加えるだけでかなり印象変わりますのでお勧め。
スピナーは瞬間接着剤を盛って再現しました。
アンテナ線は鮎ゲッターを使っています。

右側は制作中の零式水上観測機。
黄色い部分はデカールですが、翼を薄く削っているのでV字に折り曲げて貼るのは不可能です。
ですので、あらかじめ中央をナイフで切れ目を入れ、2つに分割してそれぞれ表と裏に貼り付けます。
こちらもエッチングパーツがあるので、ディティールアップする予定。
三座水偵よりも零式水上観測機のほうが細かくて大変そうなんですよね・・・

スピーカー3種聴き比べ(ONKYO D-112E LTD/MonitorAudio BabyBoomerもどき/MonitorAudio Studio20 Ltd)

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スピーカーのトーテムポールじゃ~

ということで、安物を衝動買いしたonkyo D-112E LTDを含め、3製品を聴き比べ。
アンプはMyryadのMI-120をプリにして、MA-120でドライブしています。
ソースはiPad、AirMac経由で出力し、DACはAirMac内蔵のものです。

・BabyBoomerもどき

もどき、となっているのは中身のネットワークが故障した個体に、同じくイギリスのCastleの2wayスピーカーのネットワークをそのままぶち込んでいるため。
BabyBoomerはペアで30,000円ですが、ネットワークはたぶん余裕で10万円を超える製品のやつのはず。
MonitorAudioの清涼感というかクリアーさが少しなくなるものの、Castleの暖かい感じがする、なんとも不思議な感じに仕上がっています。
ユニットが全く違うし、クロスオーバーとか無視してもちゃんと鳴るもんだ・・・
傾向としては薄まっているとはいえ、やはりMonitorAudioの音。
低域もこのサイズとしてはかなりしっかり出ます。
うーん、これはいい音だ。

・ONKYO D-112E LTD

ディスコン時に投げ売りされていた?ようで、今でも中古で激安で売られていますが、一応定価58,000円もするモデルです。
といっても、ユニットが同じD-112Eが4万円台だったから、それくらいの実力かも。
見た目はかなりデザイン良好、独特な印象で満足感はあります。
しかし、肝心の音が、なんていうか・・・BabyBoomerを聴いた後だと、鼻が詰まっているというか耳抜きしてないというか、スピーカーとの間になにか薄い壁があるというか。
なんとも奥行きがない音なんですよね。
音楽の楽しさが表れてこないというか。これが最近のONKYOの音なんでしょうか。

2万円を大きく割り込む価格で購入しているので、価格それなり、といえばそんな感じですが、これ5万円とかで買ったとしたら・・・orz
BabyBoomerのほうが音遙かに良いです。
・・・Castleのネットワークぶち込んでみようかw

長所があるとすれば、中古価格からは考えられない質の良さ。
あと、フロントバスレフ(ユニット下部のポートからフロントに引き出している)のでかなり低域は豊かな点。
ボリュームをそこそこ上げると息苦しさが少し和らいでくる点でしょうか。

・Studio20 Limited Edition

いやー、比べちゃいけないですが、圧倒的です。
つなぎ替えて音を出しただけで次元が違います。
透明感の高さと、息づかいまで聞こえてくるリアル感はMonitorAudioの真骨頂と言えると思います。
特にこのStudio20は2wayトールボーイというバランスが良い作りということもあって、とても気持ちよく鳴ってくれます。
まあ、価格で言うとBabyBoomerが30,000円、D-112Eが58,000円、Studio20が900,000円ですから比較にならないのですが・・・
ということで、コストパフォーマンスではBabyBoomerの圧勝でした。

ちなみに、PC用に使っているELACのBS72、定価は65,000円ですからD-112E LTDと似たようなものなのですが、D-112Eの音を聞くとBS72の音の良さは圧倒的ですね。
アンプとの組み合わせが良いこともあるかと思いますが、BS72、50,000円台で買えるブックシェルフスピーカーとしてはかなりお勧めです。