ECC32 + EL12 PP 真空管アンプを購入!

パソコンに繋いでいるオーディオ環境ですが、今まではアンプがCayin A-300BにDACがOlasonic D1、スピーカーがELAC CL-310i JETという組み合わせでした。
Cayin A-300Bは真空管をEmission Labsの300B-XLSに変更したことで力強さが増し、PCオーディオにはもったいない位の高音質。
というか、これってピュアオーディオで用いる機器ですから、PC用にしているのがなんというかアレなのですが。

ただ、メインオーディオ環境が2A3のPPアンプだったので、三極管ではないアンプってのもいいよなぁ…とか思いつつ、PCデスクの脇のラックに置ける、KT88とかEL34とかのアンプを探していたところ、EL12 PP構成のモノアンプ×2を発見!
EL12はアメリカの6L6属のヨーロッパ版ともいう感じの管らしいのですが、“三結にしたときのEp-Ip曲線を見ると,まるで古典三極出力管かと見紛うほどです”(http://triodeamp.web5.jp/tubes/el5.htmlより引用)というように、とても繊細でオーディオ向きの管のようです。

そして、なんと言っても魅力だったのが、EL12はPhilipsの開発というだけあって、Philips、VALVO、Telefunkenといったメーカーが球を作っている、という点。
300Aや2A3はいろいろな国が作っていますが、持っているのはチェコのKR製とアメリカのKENRAD製なので、ヨーロッパではないんですよね。

組み合わされる整流管はRaytheonのCK-1006。ガス封入の整流管で、以前6L6アンプを改造して使ったことがありますが、動作中のガスの放つ明かりがなんともいえない、魅力的な球です。
初段は6SN7だったので、これは手持ちにいくつか良いものがありますので、球転がしも楽しそう。

・・・ということで、お買い上げ。
PC用のアンプが一気に3組4台になりましたw

 

アンプ全景。前オーナーの方がアンプビルダーの方に依頼して作成したそうです。
内部はWesternのヴィンテージ線、オイルコンデンサにこれまたヴィンテージコンデンサと、なかなかに渋いパーツ構成です。

三結プッシュプル構成のEL12。
375Vまで耐圧のEL12/375が刺さっています。
右側はCK-1006整流管。実際はもう少し落ち着いた発光で、ここまで明るくはないですが、フィラメントの赤熱やトリタン球ともまた違った光り方をします。

初段にはMullardのECC32をチョイス。
EL12に組み合わせるなら、やはりこれかなーと。
ST管が並んで見た目にもいい感じです。

PCオーディオ周り。
ラックの上段から、今回購入のEL12 PPアンプ、その下がCayin A-300B、一番下がDACのSabaj D3とOlasonic D1。左側がお手製アンプセレクタ。
ミシュランマンの右側がELAC CL-310i JET。スピーカースタンドはTAOCのSPB-300DL。2本1組で使うものですが、幅が12cmしかないCL-310i JETには1本でちょうどいい感じ。
モニターの下に横倒しになっているのは、自作の5cmフルレンジユニットのスピーカー。
そして、キーボードの奥に隠れているのが、夏の暑いときに引っ張り出される、s.m.s.lのSA-60。

ちなみに、オーディオのソースは主にAmazon Prime MusicとiTunes。
時々Spotifyの無料プランでも聞いていますが、ソースのビットレートが低くても、再生側の機器がそこそこであれば音質の悪さってそこまで気にならないですね。
PCオーディオってなにか作業しながら聴くことが多いからだと思いますが。

10cm四方の小さいDAC、Sabaj D3 USB DAC 簡易レビュー

PCで使っている真空管アンプが2組に増えたこともあり、DACをもう1台新規で購入してみました。

今まで使っていたのは、OlasonicのD1というDACで、小さいながらも芯のしっかりしたサウンドを奏でてくれます。
ボリューム連動のRCA出力があるので、パワーアンプに繋げばDAC兼プリアンプとしても利用可能なので真空管パワーアンプと組み合わせるのも便利だったりします。

今回アンプが増えたのですが、繋げるソースをどうするか…という問題が発生。
Sound Blaster Zのアナログ出力に繋げてもいいのですが、音質的にはやはりいまいち。
Sound Blaster Zはやはりエフェクト使って疑似3Dとか楽しみたいですからね。
などと考えていたところ、このDACを発見。
値段も手軽でサイズも小さいこともあって、試しにCayin A-300Bアンプ用に購入してみました。

Sabaj D3本体。
サイズは縦横が10cm、高さが3cm(ゴム足除く)となっていますので、かなり小さいです。
左のスイッチは電源兼ソース切り替え。
右側のボリュームは電子ボリュームでカチカチとエンドレスで回ります。
ボリュームを押し込むとミュートとなります。

DACとしての性能ですが、USB入力は32bit / 384kHzのサンプルレートに対応、光/同軸入力のサンプルレートは最大192kHzまでOKです。
フロントパネルには、IN1(USB)、IN2(Optical)、IN3(COAX)のインジケータと、入力のサンプリングレート表示があります。
96KHzの場合は、44.1/48のLEDと、X2のLEDが点灯します。X4だと192KHz、384KHzだとX8のLEDが点灯する仕組みです。

入力はUSB、デジタル光、デジタル同軸の3系統、出力はヘッドフォン、RCA(ボリューム連動)の2つとなります。
USBの端子はMicro USBとなっています。

このSabaj D3ですが、ACアダプタがDC5V入力なので、ポータブルバッテリーでの駆動が可能です。
さらに、USBがOTG対応なので、スマホに繋いで外付けDACとしても使えます。
要するに、据え置きDACですが、いざとなればポータブルDACとしても使えます。外部バッテリーが必要なので割とハードル高めですが…
ポータブル用途として考えると、軽い力でくるくる回るボリュームが誤作動しそうなのが気になるところです。

ACアダプタは小型のスイッチング電源で、5V 2.5Aの出力です。
トランス方式のACアダプタにすると音が良くなりそうですね。

基板を取り出してみました。
実装パーツの取り付けも割と綺麗で、粗悪な感じはしません。

USBレシーバーチップのCM6631A。OTGに対応していますので、スマホを直接繋いでDACとしても使えます。
右側にあるCMOSフラッシュメモリは、おそらくOTG用などのファームウェアが格納されているものと思われます。

ヘッドフォン回路のあたり。
オペアンプはJRCの4556ADを搭載しています。
この形のICであればソケット化して差し替えも簡単そう。

DAC回路まわり。
DACはCS4392を搭載してます。ボリュームコントロール機能もあるので、デジタルボリュームはこのDACで制御しているのかも。
ほかにも、LC89091のDAI(Digital Audio Interface)とオクタルバッファのTi LC244Aが見えます。
写真には写っていませんが、さらにTiのNE5532 が2個搭載されています。
NE5532は2chだったはずですが、ヘッドフォンとRCAで1個ずつ使っているのかな…?

Olasonic D1の上に、Sabaj D3を重ねてみました。
厚さ3cmの小型のボディなので、ラックの隙間にピッタリ。
1万円のDACとしては悪くないデザインです。

Sabaj D3の音質、使い勝手の簡易レビュー

さて、早速使ってみました。
接続はデジタル光端子で、Sound Blaster Zから96KHzで出力しています。
比較対象はOlasonic D1、スピーカーはELACのCL310、アンプはEL12 PP真空管アンプ(ビルダー制作の1点モノ)です。

組み込んで聞いてみた最初の印象は、1万円でこれだけ鳴ればぶっちゃけ超お買い得でしょう、という感じ。
音的にはちょい堅めで、Olasonic D1のような芯のあるどっしりと構えた感じが無いというか、ちょっとヴォーカルとかが軽い印象はあるけれど、バランスが破綻しているようなこともないし、上から下まで綺麗に鳴っている印象。
ちょっとドライな感じはありますが、組み合わせているのが真空管アンプなので気になりません。
音楽の余裕さというか奥深さの表現についてはD1の方がやはり優れていますが、Sabaj D3の1万円ちょいという価格を考えると、定価6万超えのDACと比較するのが無謀というか。

操作感ですが、電源兼ソース切り替えボタンと音量兼ミュートダイアルの2つしかないこともあって、迷わないことは良いのですが、問題は電源を切ろうとする場合、電源兼ソース切り替えボタン長押しなのですが、間違えて短く押してしまってソース切り替えになってしまうことがあるのが残念なところ。
電源LEDが赤と青で切り替わるのですが、指で押しているのでLEDが見えないのですよ…。
かといって、下品にボリュームの後ろにLEDが仕込んであるわけではないので、そこは評価したいと思います。

色は黒にして正解でした。
シルバーもあるのですが、ヘアラインのつや消しのような感じではなく、割と光沢感のある安っぽい感じの仕上げのようです。

正常に抽出できなくなったネスプレッソU D50の修理

職場にネスプレッソU D50があるのですが、突然正常に抽出できなくなりました。
症状としては、正常に動作しているようにみえるものの、抽出された珈琲がすべて使用済みカートリッジ受けの中にドバドバと漏れ出てしまう状態です。
淹れ立ての珈琲が全てゴミとなるので、これはどうにかしないとです。

買い換えるのも修理に出すのももったいないので、まずはバラしてみることに。
幸い、同様の症状は多いようで、分解方法は探すといくつか見つかります。

ネットで調べた故障原因とは状況が違った…

ネットで見かけるメジャーな故障は、抽出されるノズルの向きがずれてしまっている、というものでした。
職場で使っているものを分解してみたところ、ノズルの向きは正常。
では、なぜ正常に抽出されないのかというと…注ぎ口のノズルは本体が前後にスライドするのに合わせ、シーソーのように動くのですが、かみ合う部品が摩耗してしまって、正常に動作していないためでした。

おそらく、抽出後にノズルからポタポタとコーヒーが垂れるのを防ぐため、抽出後に内部のユニットが後退、カートリッジを排出するとともに注ぎ口のシーソーが動いて注ぎ口が内側に傾く(内部にコーヒーが垂れる)ようになっています。
詳しい動作は下記動画で確認してください。
※動作確認用に使用済みのポットを使っていますので、不味そうな色の液体が抽出されています…

直したのは、白いプラスチックパーツの部分。
抽出時に本体がスライドするのに連携し、ノズルがシーソーのように動いているのがわかりますでしょうか。
本体が後ろにスライドしたタイミングでノズルの白い部分の突起が持ち上げられ、カップ側にコーヒーが排出されるようになっています。
抽出が終わると本体が戻り、これに合わせノズルが持ち上がることで、外に漏れ出ない構造になっています。

故障していたときのノズル。
出っ張りがなくなっているのがわかると思います。
※下の受け側パーツが外れているのは、修理のためにわざと外しています。

修理に使ったパーツは、コーヒー用の使い捨てマドラーと、瞬間接着剤。

修理方法修理方法は、上記のように削れている部分を、プラスチックのパーツを付け足して修復するだけ。
同じような症状で困っている方は、簡単に修理できますのでお試しを。