PCで使っている真空管アンプが2組に増えたこともあり、DACをもう1台新規で購入してみました。
今まで使っていたのは、OlasonicのD1というDACで、小さいながらも芯のしっかりしたサウンドを奏でてくれます。
ボリューム連動のRCA出力があるので、パワーアンプに繋げばDAC兼プリアンプとしても利用可能なので真空管パワーアンプと組み合わせるのも便利だったりします。
今回アンプが増えたのですが、繋げるソースをどうするか…という問題が発生。
Sound Blaster Zのアナログ出力に繋げてもいいのですが、音質的にはやはりいまいち。
Sound Blaster Zはやはりエフェクト使って疑似3Dとか楽しみたいですからね。
などと考えていたところ、このDACを発見。
値段も手軽でサイズも小さいこともあって、試しにCayin A-300Bアンプ用に購入してみました。
Sabaj D3本体。
サイズは縦横が10cm、高さが3cm(ゴム足除く)となっていますので、かなり小さいです。
左のスイッチは電源兼ソース切り替え。
右側のボリュームは電子ボリュームでカチカチとエンドレスで回ります。
ボリュームを押し込むとミュートとなります。
DACとしての性能ですが、USB入力は32bit / 384kHzのサンプルレートに対応、光/同軸入力のサンプルレートは最大192kHzまでOKです。
フロントパネルには、IN1(USB)、IN2(Optical)、IN3(COAX)のインジケータと、入力のサンプリングレート表示があります。
96KHzの場合は、44.1/48のLEDと、X2のLEDが点灯します。X4だと192KHz、384KHzだとX8のLEDが点灯する仕組みです。
入力はUSB、デジタル光、デジタル同軸の3系統、出力はヘッドフォン、RCA(ボリューム連動)の2つとなります。
USBの端子はMicro USBとなっています。
このSabaj D3ですが、ACアダプタがDC5V入力なので、ポータブルバッテリーでの駆動が可能です。
さらに、USBがOTG対応なので、スマホに繋いで外付けDACとしても使えます。
要するに、据え置きDACですが、いざとなればポータブルDACとしても使えます。外部バッテリーが必要なので割とハードル高めですが…
ポータブル用途として考えると、軽い力でくるくる回るボリュームが誤作動しそうなのが気になるところです。
ACアダプタは小型のスイッチング電源で、5V 2.5Aの出力です。
トランス方式のACアダプタにすると音が良くなりそうですね。
基板を取り出してみました。
実装パーツの取り付けも割と綺麗で、粗悪な感じはしません。
USBレシーバーチップのCM6631A。OTGに対応していますので、スマホを直接繋いでDACとしても使えます。
右側にあるCMOSフラッシュメモリは、おそらくOTG用などのファームウェアが格納されているものと思われます。
ヘッドフォン回路のあたり。
オペアンプはJRCの4556ADを搭載しています。
この形のICであればソケット化して差し替えも簡単そう。
DAC回路まわり。
DACはCS4392を搭載してます。ボリュームコントロール機能もあるので、デジタルボリュームはこのDACで制御しているのかも。
ほかにも、LC89091のDAI(Digital Audio Interface)とオクタルバッファのTi LC244Aが見えます。
写真には写っていませんが、さらにTiのNE5532 が2個搭載されています。
NE5532は2chだったはずですが、ヘッドフォンとRCAで1個ずつ使っているのかな…?
Olasonic D1の上に、Sabaj D3を重ねてみました。
厚さ3cmの小型のボディなので、ラックの隙間にピッタリ。
1万円のDACとしては悪くないデザインです。
Sabaj D3の音質、使い勝手の簡易レビュー
さて、早速使ってみました。
接続はデジタル光端子で、Sound Blaster Zから96KHzで出力しています。
比較対象はOlasonic D1、スピーカーはELACのCL310、アンプはEL12 PP真空管アンプ(ビルダー制作の1点モノ)です。
組み込んで聞いてみた最初の印象は、1万円でこれだけ鳴ればぶっちゃけ超お買い得でしょう、という感じ。
音的にはちょい堅めで、Olasonic D1のような芯のあるどっしりと構えた感じが無いというか、ちょっとヴォーカルとかが軽い印象はあるけれど、バランスが破綻しているようなこともないし、上から下まで綺麗に鳴っている印象。
ちょっとドライな感じはありますが、組み合わせているのが真空管アンプなので気になりません。
音楽の余裕さというか奥深さの表現についてはD1の方がやはり優れていますが、Sabaj D3の1万円ちょいという価格を考えると、定価6万超えのDACと比較するのが無謀というか。
操作感ですが、電源兼ソース切り替えボタンと音量兼ミュートダイアルの2つしかないこともあって、迷わないことは良いのですが、問題は電源を切ろうとする場合、電源兼ソース切り替えボタン長押しなのですが、間違えて短く押してしまってソース切り替えになってしまうことがあるのが残念なところ。
電源LEDが赤と青で切り替わるのですが、指で押しているのでLEDが見えないのですよ…。
かといって、下品にボリュームの後ろにLEDが仕込んであるわけではないので、そこは評価したいと思います。
色は黒にして正解でした。
シルバーもあるのですが、ヘアラインのつや消しのような感じではなく、割と光沢感のある安っぽい感じの仕上げのようです。