コストコのものより強力? 吸引力80Kpaの真空パック機 JP290を買ってみたレビュー

コストコで販売されている真空パック機(というか脱気シーラー)、FOODSAVER FM3943。
ベーコンを作るときに便利そうと思っていつか買いたいと思っていたのですが、Amazonで販売されている様々なモデルと比較すると、いろいろ一長一短な感じ。
いろいろ調べた結果、Amazonで良さそうと思ったJP290を買ってみましたので、簡単にレビューしてみたいと思います。

JP290 vs FM3943

ざっと比較すると、こんな感じです。

JP290の方が優れている点

  • 業務用の廉価な真空袋が利用可能(クリロン化成 彊美人 XS-2030 100枚、20cm×30cmサイズが1,100円、1枚11円)
  • 吸引力80Kpa
  • 汁物対応

FM3943の方が優れている点

  • 真空袋がロール状になっているので、好きな長さにカットして使える

詳しく見ていきたいと思います。

利用可能な袋について

JP290では、市販の業務用の真空袋が使用可能です。
20cm×30cmの大きめな袋でも、1枚11円とそれほど高くありません。
クリロン化成 彊美人は強度もしっかりしており、クリアーで見た目も綺麗でオススメです。

FM3943は本体内に真空袋のロールをセットできる点はメリットですが、筒状になったものがロールになっているので、袋として使う際、筒状の片方を圧着、内蔵カッターでカット、中に食品を入れ脱気、再度圧着と行程が増えるのが面倒なところ。
また、コストコに行かないとロールが買いづらいというのもデメリットになりそうです。



吸引力

JP290では80Kpaと公表されており、家庭用の脱気シーラーとしてはかなり強力な部類かと思います。
FM3943は公開されていないので比較できませんでした。

汁物対応

JP290は、脱気する際にノズルが本体から自動的に出てきて、ノズルを挟み込むように袋をセット、脱気を行います。
この際、汁気が多い食品の場合は、汁気ごと吸い取ってしまうことになりますが、吸い込んだ水分は集水パックに自動的に溜まるようになっています。
少しコツは必要ですが、水も真空パックすることもできます。

FM3943は構造的に吸い込んだ水分がどうなるのか、気になるところです…。
とくに、ベーコンなどを作ると、どうしても肉汁を吸い込むことが多いため、汁気対応でないとどえらいことになりそうです。

真空パック機JP290の使い方

使い方は至って簡単で、

  1. 本体左右のボタンを押してロック解除
  2. ノズル出/入ボタンを押してノズルを出す
  3. 脱気時間をセット(20秒程度あれば大丈夫だと思います)
  4. 袋に食品などを入れ、袋の口にノズルを挟んだ状態で本体のレバーをセット
  5. 開始ボタンを押して脱気開始。終了すると自動的にシールされて完了

という流れになります。

JP290の脱気用ノズル。
このノズルから、80Kpaの力でどんどん空気を吸い出します。
脱気が終わるとノズルが自動的に格納され、ヒーターに熱が入り、シールされて完了となります。

袋が透明なのでわかりづらいですが、こんな感じでノズルに袋をセットします。
注意点としては、シールされる部分に食品が付かないようにする(圧着不良の原因)、空気の抜け道ができるように、しわなどを作っておく、ということです。
しわを作る際、圧着される部分にしわがあると圧着不良になりますので、袋をロックした後に、袋の表裏を少しずらすような感じで隙間を作るのが良いです。

こんな感じでしわを作ってあげると、食材のほうに溜まっている空気の抜け道ができるので、効率よく脱気が可能です。
しわがないと、袋の上の部分だけ脱気してしまい、食材のまわりには空気が残ったままとなってしまいます。
ただ、そうなったとしても、シールされた部分をカットして、再度脱気→シールすれば袋の再利用が可能です。

お好み焼きを脱気シールしてみました。
綺麗に空気が抜けて、真空パックされているのがわかると思います。

真空パックの便利さ

使って便利!と思ったのはいくつかありますが、何よりも、湯煎できるのがとても便利です。
カレーやシチューなどの、汁気が多いものでも気軽に真空パックできますので、1人分ずつ小分けにしておいて、食べる際に湯煎で温めて、袋の封を切ってお皿に移すだけで、簡単に調理可能です。
また、余分な空気がないのでコンパクトですので、冷凍庫内の整理もしやすいです。

使ったあとのメンテナンス

使った後のメンテナンスは、少々面倒です。
とくに、汁気の多い食品を脱気したあとは、ノズルの清掃は必須です。
ノズルが詰まっている場合は、付属の金属製のへらで汚れを掻き出した後、ノズルにホースをセットして、ぬるま湯を脱気モードで吸い込みます。
吸い込んだぬるま湯はノズル内を掃除し、集水パックに溜まりますので、最後に集水パックを洗って作業完了です。


集水パックは2種類付属

45mlと170mlの、2サイズの集水パックが付属します。
45mlは本体に装着した際に飛び出ないちょうど良いサイズですが、汁物をパックするとすぐにいっぱいになってしまいます。
大容量の170ml集水パックを取り付けっぱなしにすることが多いので、大容量のものはあった方がいいと思います。

 

MovableTypeのXMLRPC APIにおける脆弱性を利用した攻撃を受けてしまいました(経過・復旧・対応方法)

2021年10月20日に、IPAから情報提供されている、「Movable Type」の XMLRPC API における OS コマンド・インジェクションの脆弱性ですが、当サイトも攻撃を食らっておりました…。
というのも、昔Movable Type(以下MT)でブログを作っていた時があり、サイトをそのまま残してしまっていたため、脆弱性のあるmt-xmlrpc.cgiが放置されたままの状態でした。
同様に、mt-xmlrpc.cgiの脆弱性を利用した攻撃を受けた方のために、被害状況と、対応について説明いたします。

「Movable Type」の XMLRPC API における OS コマンド・インジェクションの脆弱性について
https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20211020-jvn.html

この脆弱性を利用した攻撃ですが、攻撃者がmt-xmlrpc.cgiの有無をボットを利用して手当たり次第確認し、見つけ次第攻撃する手法を採っているように思われます。
※ほぼ使っていない、アクセスが滅多に無いサイトのMTに対して攻撃を受けましたので、かなり広範囲に収集しているようです。
PowerCMSでも同様の脆弱性があり、企業、個人含め脆弱性対応していないサイトは多数あると予想されますので、今後被害を受けるサイトも多数出てくるのでは、と思います。


■被害を受けた日時
2021年11月23日 17時32分

■被害を把握した日時
2021年11月23日 18時頃

■把握出来たきっかけ
Webサイトが403エラーになったため

■403エラーの原因特定
サーバーにアクセスしたところ、設置した記憶が無いファイルが存在することを確認しました。
.htaccessに記載されているディレクティブが実行不可だったため、403エラーになっていました。
幸い、403エラーが表示されていたため、設置されたトロイの木馬についてもアクセス出来ない状況となっていました。
また、トロイの木馬が設置されたディレクトリは、Webサイトとして使っていないディレクトリだったため、403エラーでなくても被害は無かったものと思われます。

■設置されたファイル
設置されたファイルは、
1,Webサーバーの全ディレクトリに、.htaccessが設置される
2,CVE-2016-5195.I トロイの木馬の変種のファイルがWebサーバー直下に設置される
となります。

1,Webサーバーの全ディレクトリに、.htaccessが設置される
バーチャルホストを利用して複数のサイトを設置していますが、すべてのサイトの、すべてのディレクトリに、.htaccessが設置されていました。
設置された.htaccessの中身は以下となります。
このサイトも含め、WordPressを使っていますが、FilesMatchを見るにWordPressも乗っ取れるよう、アクセス権限を変更しているように見受けられます。
———
<FilesMatch “.(PhP|php5|suspected|phtml|py|exe|php|asp|Php|aspx)$”>
Order allow,deny
Deny from all
</FilesMatch>
<FilesMatch “^(postfs.php|votes.php|wjsindex.php|lock666.php|font-editor.php|ms-functions.php|contents.php|jsdindex.php|wp-login.php|load.php|themes.php|admin.php|settings.php)$”>
Order allow,deny
Allow from all
</FilesMatch>
<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
RewriteBase /
RewriteRule ^index.php$ – [L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
RewriteRule . index.php [L]
</IfModule>
———

2,CVE-2016-5195.I トロイの木馬の変種のファイルがWebサーバー直下に設置される
ファイル名は「FoxAuto-N」のほか、同じようなファイル名のものがいくつか存在していました。
これらは、サーバー上で削除しています。
セキュリティソフトのESETによる評価は「FoxAuto-N;Linux/Exploit.CVE-2016-5195.I トロイの木馬の変種」でした。

■復旧対応
不正に設置された.htaccessにより403エラーが発生していましたので、全ディレクトリから、.htaccessを削除しました。
WordPressの動作に必要な.htaccessは、再作成しました。
全ディレクトリのファイル削除を手動で行うのは大変なので、WinSCPのファイル検索機能を利用して抽出→一括削除を行いました。

他に、不正に設置されたファイルがないか確認しましたが、確認されませんでした。
※.htaccessと同じ頃に更新されたファイルが無いか、タイムスタンプで確認

データベースも確認しましたが、こちらには問題はありませんでした。

■脆弱性への対応
MTは使っていないため、全ファイルを削除しました。
MTを使っている場合は、mt-xmlrpc.cgiの権限から実行権限を削除する、あるいはmt-xmlrpc.cgi自体を削除するのが良いと思います。
また、念のためサーバーパスワードをより複雑なものへ変更しました。

2242までのM.2 NVMe SSD専用!コンパクトかつ高速なUSB SSDエンクロージャ ElecGear NV-2242Aのレビュー

2242サイズまでのSSDに限定することで、サイズがとてもコンパクトなSSDエンクロージャー、ElecGear NV-2242A。
本体に直接USB TypeA端子が付いているので、そのままPCに差し込むことができてとても便利です。
このElecGearのSSDエンクロージャー、端子がTypeAとTypeCの2種類、対応するSSDがNVMeとSATAの2種類、計4種類がラインナップされています。
今回購入したのは、TypeA・NVMeのNV-2242Aとなります。



ElecGear NV-2242Aの外見、付属品

パッケージの中には、NV-2242A本体のほか、SSDサイズ変換アダプタ、ドライバー、熱伝導シート、ストラップ、マニュアルが入っています。

本体はアルミ素材を切削加工されているようで、加工精度はとても高く蓋も寸分違わず取り付けが可能で、ぐらつくことは有りません。
キャップにはマグネットが内蔵されており、本体と磁力でピタッとくっつきます。
キャップを使わないときは、磁力を利用してスチールのデスクなどに貼り付けておくことも出来ます。
表面は黒のアルマイト加工されており、本体側の縁は1mm弱程度角を落としており、高級感があります。

SSDの変換アダプタですが、長さを変更するためのもので、調整するサイズにあわせて基盤をカットします。
2230→2242、2260→2280、2230→2260、2242→2280、2230→2280の5通りの長さに調整可能です。
今回は2242サイズのSSDを利用しますので、変換アダプタは使いませんでした。

熱伝導シートですが、12mm×12mm、1mm厚のサイズのものが10枚入っています。
NVMeのSSDは熱を持ちますので、本体に熱を逃がすためにもSSDと本体のアルミケースが接着するように、熱伝導シートを利用しましょう。

今回は、付属のものではなく、手持ちの熱伝導シートを使用しました。
使用したSSDはWestern Digital製のSD SN520 256GBですが、コントローラーチップ側に2mm厚、フラッシュメモリ側に1mm厚を挟むとちょうどケースとぴったり接触できました。
基盤裏側には、JMicronのUSB3.1 Gen.2 to PCI-Express Gen3 x2ブリッジコントローラーのJMS583が搭載されていますが、こちらは1mm厚の熱伝導シートを載せると、裏蓋とぴったりでした。

SSDは何を選んだら良いか

ElecGear NV-2242Aに搭載されているブリッジコントローラーのJMS583ですが、PCI-E Gen3 x2の対応となりますので、理論値の帯域は16.0Gbps(2oooMB/s)が上限となります。
ただし、接続するUSBが3.1 Gen2ですので、最大10Gbpsが上限となりますので、ブリッジコントローラー側の帯域はあまり考える意味は有りません。
今回は、書き込み性能がUSB 3.1 Gen.2の理論値に近い、シーケンシャル最大読取2400MB/s、最大書込950MB/s、ランダムIOPS最大読取170K、書込120KというスペックのWestern Digital WD SN530を組み込むことにしました。
Amazonで販売されているものもありますが、中国?の聞いたことがないメーカーのものばかりでしたので、Western Digital製のSSDのほうが安心感は圧倒的です。

SN530使用時のベンチマークスコア

AMD B550のUSB3.2に接続した際のベンチマークスコアです。
Readは最大速度の半分以下ですが、USB3.1 Gen2の上限値10Gbpsに近い速度が出ているのでUSBメモリとは比にならないくらい高速です。
Write側はSSDのスペックの最大値に近い数値をたたき出しています。
ランダム性能も優秀で、持ち運べるサイズのUSB接続のデバイスでこれだけの速度が出れば十分かと思います。

なお、性能をフルに引き出すためには、10GbpsのUSB3.1 Gen2(またはUSB3.2 Gen2)に接続する必要があります。
USB3.0(USB3.1 Gen1、またはUSB3.2 Gen1)は5Gbpsが上限のため、ベンチマークでも500MB/s弱の速度しか出ません。

気になる動作時の温度

発熱が大きいNVMeのSSDを使うだけあって、温度が気になるところです。
Crystal Disk Markのベンチマーク実行中の温度を、放射式温度計で測定してみました。

最大で50度弱くらいの表面温度となります。
触るととても熱く感じるけど、やけどするほどでもない、といった温度でしょうか。
SN530のサーマルスロットリング発動温度は85℃とのことなので、まだ十分にマージンはありそうです。

ただ、外付けのデバイスですので、抜き取る際に50℃という温度は、あまり積極的に触りたくありません。
そのため、リング状のストラップが付属しているのだと思います。
リングに指をかけ引っ張れば、本体に触れずに取り外すことが可能です。

1000MB/sに近い転送速度、小型で持ち運びが便利、コネクタ付きでケーブル不要と、とても便利な一品。

ElecGear NV-2242Aで気に入っているところは、

  • 2242サイズとしたことで、本体がとても小さくて持ち運び簡単
  • アルミ素材のボディのため放熱に優れる
  • USBコネクタが本体に付いているので、扱いがとても簡単

という点です。
特に、サイズの小ささとコネクタが付いているので直接PCに取り付けが可能な点は、とても便利。
長時間使っていると本体がかなり熱くなりますが、気になる点はそれくらいでしょうか。
高速かつ小型のUSBストレージを探している方には、お勧めの製品だと思います。

SSDを組み込む際に1点、重要な注意点です。
かならず、本体のアルミケースとSSDのチップが接触するよう、付属の熱伝導シートで調整してください。
厚みが足りないところは2枚重ねれば2mm厚になりますので、適宜調整して取り付ける必要があります。
熱伝導シートの厚みが足りず、ケースに放熱できない状態だと、SSD側の温度があっという間に上昇し、サーマルスロットリングが発動して動作が遅くなる、あるいは最悪の場合SSDの故障に繋がる可能性もありますので、注意が必要です。