キースイッチ交換のベース用キーボードとしても優秀な、テンキー有り省スペースキーボード、Maestro 2Sを熱く宣伝してみる

フルサイズキーボードって、便利ですけどデカいです。
特に、ゲーミング用途などで大きめのマウスパッドを置く場合、キーボードがだいぶ左に寄ってしまうと思うのですが、フルサイズキーボードを置くとキーボードがモニターの中心から大きく左に外れ、キーを打つときに体をかなり斜めにしないと…なんてことも。
そういった状況もあってか、最近ではテンキーレスのキーボードが人気のようです。
キーボードのサイズやキー数を基準にして、フルサイズのキーボードを100%とすると、テンキーレスのものは80%くらいのサイズ、キー数なので、テンキーレスキーボードは80%キーボードと呼ばれる場合もあります。

さらに、PrintScreen、ScrollLockのような使用頻度が低いキーのほか、Delete、カーソルキーなどの、Enterキーとテンキーの間に挟まれているキー群のほか、ファンクションキーも思い切ってバッサリ切り取ってしまった、60%キーボードなるレイアウトも存在します。
ここまでくるととことん省スペースになります。

100%、80%、60%のキーボードの比較写真を撮ってみました。

上から、富士通高見沢コンポーネントのFKB-311、ArchissのRETRO TKL、CenturyのBlack Queenとなります。
FKB-311はいわゆるフルキーボードで、これを100%とすると、RETRO TKLがテンキーレスの80%レイアウト、Black Queenがカーソルキーやファンクションキーもバッサリ削った60%レイアウトとなります。

使い勝手は良いが、とにかくかさばる100%レイアウトキーボード

すべてのキーが備わっており、使い勝手としては一番良いのが100%キーボード。
特に数字入力が多い人にとって、テンキーがあるのはとても便利です。
80%キーボードにテンキーを別途付ければ良いのでは?と思うかもしれませんが、毎回テンキー使いたい時にテンキーをいちいち取り付けたり外すのも面倒ですし、「あ、テンキー使いたいな」と思った瞬間にテンキーがあることが重要なので、そうなるとキーボード側にテンキーがあることが必須になってきます。(横着とも言う)

高速に数値入力ができるテンキーを備えている便利なフルキーボードですが、写真で見ても解るように、とてもデカいです。
このため、使い勝手の良い位置にマウスパッドを置くとキーボードが左に寄ってしまい、かなり無理な体勢でキー入力を強いられる…なんてことも。
ゲーミング用途を考えると、これはかなり厳しい状況かと思います。

サイズ感、使い勝手のバランスが良い80%キーボード

100%キーボードだと大きすぎる…というときに便利なのが、テンキーレスの80%キーボード。
テンキーはありませんが、カーソルキーなどは残っていますし、数字入力はキーボード上部の1~0キーでも行えますので、数字入力が多い経理のような使い方をしない限りは、そこまで不便を感じないキーボードでもあります。
大きなマウスパッドを使うゲーミング用途としても相性が良く、テンキーレスのゲーミングキーボードは数多くラインナップされていますので、選択肢に困ることはないと思います。

デメリットはやはりテンキーがないことで、ああ、テンキーが欲しい…と思うことも結構あったりします。
私の場合、仕事上伝票や見積・請求書など数字を入れることも結構あるので、やはりテンキーは欲しいのです…。

極限までのミニマル感。玄人好みする60%キーボード

さらにコンパクトなのが、60%レイアウトのキーボードです。
入力に最低限必要なものを残したキーボードなので、とことんコンパクトです。
60%キーボードを使っている方って、個人的な主観バリバリですが、かなりキーボードにこだわりがあって、PG/SEやライターの方が多いような印象があります…。
上の写真でも、上段のFKB-311と、下段のBlack Queenではかなりサイズが違うのが見て解ると思います。

ミニマル感たっぷり、卓上もスッキリで見た目もオシャレな60%キーボードですが、使い勝手は良いとは言えません。
慣れれば問題無いと思うのですが、特に日本語レイアウトだと、半角/全角キーとESCキーが共有だったりと、Fnキーを押しながらでないと使えないキーが多数あります。
さらに、Black Queenは変換、無変換キーまでFnを押しながら操作する必要があるので、日本語入力が結構面倒だったり…。

80%キーボードとほぼ同一の幅でテンキー有りの秀逸レイアウト、Maestro 2S

80%キーボードの幅が良いのにテンキーも欲しい…という欲張りな人の為に存在するのが、ArchissのMaestro 2S。
省スペース化を達成するために一部独自レイアウトになっていますが、無理ない配置になっており、100%キーボードから移行しても違和感が無いのは素晴らしいです。
どれくらい省スペースなのかは、下の写真をご覧ください。

上がArchissのMaestro 2S、下は80%キーボードのArchiss RETRO TKL。
チルトしている関係でRETRO TKLが大きく見えますが、サイズはキー1列分しか変わらないサイズでMaestro 2Sのコンパクトさが光ります。

手前から見てみると、Maestro 2SがEnter、+キーなどのテンキーの一番右側の1列分のみ、RETRO TKLより大きいのが解ります。
テンキーを左に寄せたことで、カーソルキーのほか、いくつかのキーが犠牲になっていますが、以下のように処理されています。

  • PrintScreen → [Fn]+[I]
  • Scroll Lock → [Fn]+[O]
  • Pause → [Fn]+[P]
  • Insert → 独立したキーを用意
  • Delete → 独立したキーを用意
  • Home → [Fn]+[PageUp]
  • End → [Fn]+[PageDown]
  • PageUp → 独立したキーを用意
  • PageDown → 独立したキーを用意

よく使うであろう、Deleteが独立キーとして残っているのはありがたいです。
PrintScreenが少し不便ですが、最近ではWindowsキーを使ったショートカットの方をよく使いますので、これもそこまで不便は感じません。
EndキーがFnキー併用であることが少々面倒、といったところでしょうか。

そして、カーソルキーが絶妙な位置にずらされて納まっているのが素晴らしいです。
テンキー有りで幅は80%キーボードとほぼ同一、なんて素晴らしいレイアウトなんでしょう…。
ということで、個人的には理想的なレイアウトなのが、このMaestro 2Sなのです。
思わず3台も買ってしまいましたのことよ…(用途は後述)

Cherry MXの軸が選べるラインナップ

そんな素敵レイアウトのMaestro 2Sですが、さらに嬉しいのはCherry MXの各種軸がラインナップされている、ということ。

  • CHERRY MX 黒軸:AS-KBM02/LGBA(4582353584933)
  • CHERRY MX 茶軸:AS-KBM02/TGBA(4582353584957)
  • CHERRY MX 青軸:AS-KBM02/CGBA(4582353584940)
  • CHERRY MX 赤軸:AS-KBM02/LRGBA(4582353584964)
  • CHERRY MX 静音赤軸:AS-KBM02/SRGBA (4582353584988)
  • CHERRY MX スピードシルバー軸:AS-KBM02/LSGBA (4582353584971)
  • CHERRY MX クリア軸:AS-KBM02/TCGBA (4582353584995)

となっており、主要なCherry MXスイッチはすべて網羅しているラインナップとなっています。
秋葉原では店頭に各種キーのテスト用キーボードが置いてあることも多いので、試して好きなものが買えるのは良いと思います。

キースイッチ交換用の素体としてもすこぶる優秀なMaestro 2S

ここからはマニアックな使い方になってきますが…Maestro 2Sですが、作りが良いのでキースイッチを交換して使うのもオススメです。
Cherry MXキースイッチ、性能にはまったくもって不満はないのですが、キータッチのフィーリングなどは、Cherry MXよりも遙かに優秀なキーがたくさんあります。
こういったキーに交換することで、さらにMaestro 2Sを気持ちよく使うことが出来るようになります。
Cherry MXって、キー単体で見るとあまり魅力無いんですよね…

TTCのGold Pink軸に換装中のMaestro 2S。
写真でも解ると思うのですが、プレートマウント用の鉄板がとても分厚いのです。
これはとても重要で、プレートマウントでキーをセットする場合、打鍵の衝撃はプレートとPCB側に分散して伝わることになりますが、プレートがしっかりしているとキーが押され、ステムが下ハウジングに叩き付けられる際に、無駄な振動やたわみもなく、ピタッと気持ちよく止まってくれます。
さらに、プレートにキースイッチを取り付け、キースイッチをPCBにはんだ付けすると、プレートとPCBが一体化してズレがまったく生じません。
この結果、ガタつきもなく、キーを叩いたときの打鍵音も、安価なキーボードのカスっぽい音と違い、しっかりとした硬質な音がします。
CenturyのBlack QueenはかなりペラペラなプレートとPCB、ケースも薄いプラスチックなので、同じキースイッチを使っても、とても安っぽい音がします。
その点、Maestro 2Sは気持ちのよい打鍵感と心地よい打鍵音が響きます。

というわけで、キーを交換する素体としても、とても素晴らしいキーボードだと思います。
出来ればスイッチレスというか、DIY前提のMaestro 2Sとか売ってくれると嬉しいのですが…(無理)

長く綺麗に使うために、木目シートを貼って養生してみる

毎日愛用しているMaestro 2Sですが、私の使い方だと、スペースキーの手前に親指を置くことが多いためか、ケースの特定の部分だけ擦れて光沢が出てきてしまうことがあります。
キートップの消耗はしょうがないのですが、梨地のつや消し処理されたケースが一部だけテカテカ、というのも格好悪いのです。
そのため、消耗対策としてキーボード手前部分に3Mのダイノックシートを貼り付けて消耗を防ぐことにしました。

3Mのダイノックシートはラッピングフィルムの一種ですが、3Mのものは熱を加えると伸びが良く、少し薄手なのでこういった用途ではとても便利です。
さらに、印刷の質も良いので見た目もとても良いです。
安価なフィルムは印刷も微妙だったりしますので…。遠目で見る壁と違い、キーボードは手元にあるものなので、印刷の善し悪しはかなり目立ちます。

3台のMaestro 2Sですが、3モデルすべて違う木目シートを貼り付けています。
というのも、それぞれキースイッチが異なり、上からFEKER HolyPanda、ZealPC Tealious V2、TTC PinkGoldの軸を取り付けているので、木目の違いですぐに見分けられるようにしています。

この文章は、TTC PinkGoldで入力しているのですが、これ、Cherry MXを100点とすると、500点以上の点数を付けたくなる、すこぶる快適なキースイッチです。
いやぁ、良いキーってのは気持ちいいですね…。
モデル数限定とかでもよいので、Holy Panda軸とかTealious V2軸とか搭載したモデル売ったら人気出るんじゃないかなぁ…。
ほんと、今までのキーボードがまったく別物になるので、キースイッチ交換、オススメです。

キースイッチを交換しても、ベースとなるキーボードがショボいとキースイッチの良さが生かせません。(Black Queenがその典型例…)
その点、Maestro 2Sは作りもしっかりしているので、交換用としても最適です。
Cherry MX軸でとりあえず使ってみて、不満があれば(保証が切れてから)他の軸に乗り換える、といった使い方も良いかと思います。

唯一の欠点、DeleteとNumLockが近い

超オススメなMaestro 2Sですが、唯一の欠点がDeleteキーがテンキーの上にあり、かつすぐ下にNumLockがあるので、たまに間違ってNumLockを押して解除してしまうという点。
まあ、これは欠点と言うよりも私の使い方が原因なのですが…。

といっても、これにも対策方法はあります。
NumLockキーはほぼ使わないので引っこ抜いてしまう、キーキャップを外してしまうという力業もありますが、スマートでは有りません…。
個人的には、1秒以上押し続けると機能するようにできると最高なのですが、これを実現するにはハードウェア側でどうにかするしかなく、そう簡単には無理です。

そこで、一番現実的かつスマートなのが、NumLockキーを重たくしてしまう方法。
試しに、60gの黒軸にしてみましたが、軽い軸ではそこそこ有効ですが、Holy Pandaなどはそれよりも重たいので意味がありません。
それ以上重たいキースイッチもあまり見かけませんので、AliExpressからボトム圧150g(!)のスプリングを購入したので、届き次第組み替えて重たいキーにして取り付けてみようと思っています。

独自プロファイルのキー形状、キーキャップの交換は難しいか

一般的なキーキャップよりも、高さが抑えられたキーキャップ形状になります。

キーキャップのプロファイルはCherry、OEM、XDA…というようにいろいろあります。


※MIX profile “Big Bang” Ortholinear Keycap Set available on KBDfans NOW – deskthority より

一般的な、というのがOEMプロファイルだとすると、CherryプロファイルのキーならMaestro  2Sと一致するような気もします。
ただし、実際に比べてみないと解らないのですが…。

また、OADGの日本語レイアウトの場合、そもそもキーキャップの交換が難しい、という問題があります。
Enterキーや一部キーは英語レイアウトのキーキャップでも、日本語キーボードで使えるものがセットされているものもありますが、問題はASD…の行に[+]や[*]のキーがあるのは日本語レイアウト独自であり、英語レイアウトではこのキーが存在しないのです。
そのため、すべてのキーキャップが存在しないので、実質キーキャップ交換は難しい…という状況になってしまいます。
その点英語レイアウトの方が自由度が高いのですが…日本語レイアウト独自の問題なのでしょうがないですね。
スペースキーも3.75u程度の幅となっており、独自レイアウトのためここも交換が難しいキーとなります。

コストコのものより強力? 吸引力80Kpaの真空パック機 JP290を買ってみたレビュー

コストコで販売されている真空パック機(というか脱気シーラー)、FOODSAVER FM3943。
ベーコンを作るときに便利そうと思っていつか買いたいと思っていたのですが、Amazonで販売されている様々なモデルと比較すると、いろいろ一長一短な感じ。
いろいろ調べた結果、Amazonで良さそうと思ったJP290を買ってみましたので、簡単にレビューしてみたいと思います。

JP290 vs FM3943

ざっと比較すると、こんな感じです。

JP290の方が優れている点

  • 業務用の廉価な真空袋が利用可能(クリロン化成 彊美人 XS-2030 100枚、20cm×30cmサイズが1,100円、1枚11円)
  • 吸引力80Kpa
  • 汁物対応

FM3943の方が優れている点

  • 真空袋がロール状になっているので、好きな長さにカットして使える

詳しく見ていきたいと思います。

利用可能な袋について

JP290では、市販の業務用の真空袋が使用可能です。
20cm×30cmの大きめな袋でも、1枚11円とそれほど高くありません。
クリロン化成 彊美人は強度もしっかりしており、クリアーで見た目も綺麗でオススメです。

FM3943は本体内に真空袋のロールをセットできる点はメリットですが、筒状になったものがロールになっているので、袋として使う際、筒状の片方を圧着、内蔵カッターでカット、中に食品を入れ脱気、再度圧着と行程が増えるのが面倒なところ。
また、コストコに行かないとロールが買いづらいというのもデメリットになりそうです。



吸引力

JP290では80Kpaと公表されており、家庭用の脱気シーラーとしてはかなり強力な部類かと思います。
FM3943は公開されていないので比較できませんでした。

汁物対応

JP290は、脱気する際にノズルが本体から自動的に出てきて、ノズルを挟み込むように袋をセット、脱気を行います。
この際、汁気が多い食品の場合は、汁気ごと吸い取ってしまうことになりますが、吸い込んだ水分は集水パックに自動的に溜まるようになっています。
少しコツは必要ですが、水も真空パックすることもできます。

FM3943は構造的に吸い込んだ水分がどうなるのか、気になるところです…。
とくに、ベーコンなどを作ると、どうしても肉汁を吸い込むことが多いため、汁気対応でないとどえらいことになりそうです。

真空パック機JP290の使い方

使い方は至って簡単で、

  1. 本体左右のボタンを押してロック解除
  2. ノズル出/入ボタンを押してノズルを出す
  3. 脱気時間をセット(20秒程度あれば大丈夫だと思います)
  4. 袋に食品などを入れ、袋の口にノズルを挟んだ状態で本体のレバーをセット
  5. 開始ボタンを押して脱気開始。終了すると自動的にシールされて完了

という流れになります。

JP290の脱気用ノズル。
このノズルから、80Kpaの力でどんどん空気を吸い出します。
脱気が終わるとノズルが自動的に格納され、ヒーターに熱が入り、シールされて完了となります。

袋が透明なのでわかりづらいですが、こんな感じでノズルに袋をセットします。
注意点としては、シールされる部分に食品が付かないようにする(圧着不良の原因)、空気の抜け道ができるように、しわなどを作っておく、ということです。
しわを作る際、圧着される部分にしわがあると圧着不良になりますので、袋をロックした後に、袋の表裏を少しずらすような感じで隙間を作るのが良いです。

こんな感じでしわを作ってあげると、食材のほうに溜まっている空気の抜け道ができるので、効率よく脱気が可能です。
しわがないと、袋の上の部分だけ脱気してしまい、食材のまわりには空気が残ったままとなってしまいます。
ただ、そうなったとしても、シールされた部分をカットして、再度脱気→シールすれば袋の再利用が可能です。

お好み焼きを脱気シールしてみました。
綺麗に空気が抜けて、真空パックされているのがわかると思います。

真空パックの便利さ

使って便利!と思ったのはいくつかありますが、何よりも、湯煎できるのがとても便利です。
カレーやシチューなどの、汁気が多いものでも気軽に真空パックできますので、1人分ずつ小分けにしておいて、食べる際に湯煎で温めて、袋の封を切ってお皿に移すだけで、簡単に調理可能です。
また、余分な空気がないのでコンパクトですので、冷凍庫内の整理もしやすいです。

使ったあとのメンテナンス

使った後のメンテナンスは、少々面倒です。
とくに、汁気の多い食品を脱気したあとは、ノズルの清掃は必須です。
ノズルが詰まっている場合は、付属の金属製のへらで汚れを掻き出した後、ノズルにホースをセットして、ぬるま湯を脱気モードで吸い込みます。
吸い込んだぬるま湯はノズル内を掃除し、集水パックに溜まりますので、最後に集水パックを洗って作業完了です。


集水パックは2種類付属

45mlと170mlの、2サイズの集水パックが付属します。
45mlは本体に装着した際に飛び出ないちょうど良いサイズですが、汁物をパックするとすぐにいっぱいになってしまいます。
大容量の170ml集水パックを取り付けっぱなしにすることが多いので、大容量のものはあった方がいいと思います。

 

MovableTypeのXMLRPC APIにおける脆弱性を利用した攻撃を受けてしまいました(経過・復旧・対応方法)

2021年10月20日に、IPAから情報提供されている、「Movable Type」の XMLRPC API における OS コマンド・インジェクションの脆弱性ですが、当サイトも攻撃を食らっておりました…。
というのも、昔Movable Type(以下MT)でブログを作っていた時があり、サイトをそのまま残してしまっていたため、脆弱性のあるmt-xmlrpc.cgiが放置されたままの状態でした。
同様に、mt-xmlrpc.cgiの脆弱性を利用した攻撃を受けた方のために、被害状況と、対応について説明いたします。

「Movable Type」の XMLRPC API における OS コマンド・インジェクションの脆弱性について
https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20211020-jvn.html

この脆弱性を利用した攻撃ですが、攻撃者がmt-xmlrpc.cgiの有無をボットを利用して手当たり次第確認し、見つけ次第攻撃する手法を採っているように思われます。
※ほぼ使っていない、アクセスが滅多に無いサイトのMTに対して攻撃を受けましたので、かなり広範囲に収集しているようです。
PowerCMSでも同様の脆弱性があり、企業、個人含め脆弱性対応していないサイトは多数あると予想されますので、今後被害を受けるサイトも多数出てくるのでは、と思います。


■被害を受けた日時
2021年11月23日 17時32分

■被害を把握した日時
2021年11月23日 18時頃

■把握出来たきっかけ
Webサイトが403エラーになったため

■403エラーの原因特定
サーバーにアクセスしたところ、設置した記憶が無いファイルが存在することを確認しました。
.htaccessに記載されているディレクティブが実行不可だったため、403エラーになっていました。
幸い、403エラーが表示されていたため、設置されたトロイの木馬についてもアクセス出来ない状況となっていました。
また、トロイの木馬が設置されたディレクトリは、Webサイトとして使っていないディレクトリだったため、403エラーでなくても被害は無かったものと思われます。

■設置されたファイル
設置されたファイルは、
1,Webサーバーの全ディレクトリに、.htaccessが設置される
2,CVE-2016-5195.I トロイの木馬の変種のファイルがWebサーバー直下に設置される
となります。

1,Webサーバーの全ディレクトリに、.htaccessが設置される
バーチャルホストを利用して複数のサイトを設置していますが、すべてのサイトの、すべてのディレクトリに、.htaccessが設置されていました。
設置された.htaccessの中身は以下となります。
このサイトも含め、WordPressを使っていますが、FilesMatchを見るにWordPressも乗っ取れるよう、アクセス権限を変更しているように見受けられます。
———
<FilesMatch “.(PhP|php5|suspected|phtml|py|exe|php|asp|Php|aspx)$”>
Order allow,deny
Deny from all
</FilesMatch>
<FilesMatch “^(postfs.php|votes.php|wjsindex.php|lock666.php|font-editor.php|ms-functions.php|contents.php|jsdindex.php|wp-login.php|load.php|themes.php|admin.php|settings.php)$”>
Order allow,deny
Allow from all
</FilesMatch>
<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
RewriteBase /
RewriteRule ^index.php$ – [L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
RewriteRule . index.php [L]
</IfModule>
———

2,CVE-2016-5195.I トロイの木馬の変種のファイルがWebサーバー直下に設置される
ファイル名は「FoxAuto-N」のほか、同じようなファイル名のものがいくつか存在していました。
これらは、サーバー上で削除しています。
セキュリティソフトのESETによる評価は「FoxAuto-N;Linux/Exploit.CVE-2016-5195.I トロイの木馬の変種」でした。

■復旧対応
不正に設置された.htaccessにより403エラーが発生していましたので、全ディレクトリから、.htaccessを削除しました。
WordPressの動作に必要な.htaccessは、再作成しました。
全ディレクトリのファイル削除を手動で行うのは大変なので、WinSCPのファイル検索機能を利用して抽出→一括削除を行いました。

他に、不正に設置されたファイルがないか確認しましたが、確認されませんでした。
※.htaccessと同じ頃に更新されたファイルが無いか、タイムスタンプで確認

データベースも確認しましたが、こちらには問題はありませんでした。

■脆弱性への対応
MTは使っていないため、全ファイルを削除しました。
MTを使っている場合は、mt-xmlrpc.cgiの権限から実行権限を削除する、あるいはmt-xmlrpc.cgi自体を削除するのが良いと思います。
また、念のためサーバーパスワードをより複雑なものへ変更しました。