ZenPad S 8.0は高速なCPU、4GBのメモリということもあってサクサクと動作し、きわめて快適であった。 OSの処理も速いし、アプリケーションを使っていて特に遅いと感じることは皆無で、とても快適に作業可能だ。
iPad mini 2は古い製品ではあるものの、CPUにA7を搭載しており、OSも最新のiOS9にアップデート出来ることもあって、こちらも快適に操作可能だ。 特に、AppleのOSはCPUも同社が手がけていることもあってか、非力そうに感じても操作の快適さは失われていないこともあり、ハードウェアとの相性が良い印象を受ける。 ただ、メモリが1GBと少ないので、大量のアプリを起動していると動作がもたつくことがあるのが欠点だ。
X89HDは、CPUなどのスペックはそこそこではあるものの、OSがデスクトップ、ノートPC向けのWindows10であることが幸いし、かなりもたつくシーンが多い。 動画再生などもZenPad S 8.0、iPad mini 2と比べるとやはりもたつきがある。 しかし、Windows10がこのサイズのタブレットで動くこと自体凄いことで、Windowsだからこそ可能な使い方も多いと思う。
2,画質
ディスプレイは同じ解像度&IPS液晶だが、描画エンジンの違いでかなりの差があった。
ZenPad S 8.0:10点 iPad mini 2:10点 X89HD:8点
ゴリラガラスを採用し、Tru2Life2+による動画支援再生機能を搭載しているZenPad S 8.0は間違いなく10点の評価だ。
iPad mini 2もAppleらしい色づけの表示で、ディスプレイの美しさが際立っている。 動画閲覧時にも残像が酷い、ということは無かった。
X89HDもIPS液晶で見やすいのだが、おそらくガラスのコーティングの差だと思うのだが、指紋が盛大に付くことと、グレアが結構きつい印象だ。 上は先ほど掲載した写真だが、真ん中のZenPad S 8.0と右側のX89HDとで、反射している壁の明るさがまったく異なっていることに気が付いただろうか。 これが反射防止コートの有無であり、安価なコーティングしかされていないX89HDは盛大に映り込んでいるが、ZenPad S 8.0とiPad mini 2はかなり明るさが抑えられた状態となっている。 この差は実際に使っているとかなり大きく感じた。
Asusの主催するZenTour 2016に当選し、ZenPad S 8.0をお持ち帰り(!)というなんとも有り難い機会を頂いたので、実際に使ってみた感想なども含め、レビューをお伝えしたい。 なお、頂いたZenPad S 8.0だが、なんとeMMCが64GBという市販されていないモデルとのこと。 内蔵ストレージは多いに越したことがないのだが、まさか未販売モデルとは… ASUSさん、これ、Free SIM対応&64GBのモデルラインナップしたら爆売れしますよ。
Zenシリーズは“Start with People”をコンセプトに、人間工学に基づいたスタイリッシュな製品を数多くラインナップしている。 最近になってデザインセンスも良くなってきたと感じていたのだが、ZenTourの説明の中で、社内にデザインセンターを有しており、開発とデザインが密接に関わっていることの説明があった。 高性能なハードウェア構成に比較的リーズナブルな価格設定、そして優れたプロダクトデザインとバランスが取れているメーカーというのが個人的にAsusに対する印象なのだが、なるほど、プロダクトデザインを社内で行っているというところに特徴があったのかと合点がいった。
Zenシリーズにはディスプレイサイズに合わせ、ZenPad 7.0、ZenPad 8.0、ZenPad 10.0がラインナップされている。 今回レビューさせて頂く製品は、その中でも8インチ液晶を搭載したZenPad 8.0の上位モデルとなる、ZenPad S 8.0だ。 個人的に、8インチというサイズは片手で持てる最大サイズであり、これよりも大きいと取り回しが不便…というよりもノートPCがカバーする範囲だと考えているので、タブレットとしては一番便利なサイズであると思う。 ZenPad 8.0とZenPad S 8.0の性能差は案外大きく、なんといってもディスプレイが1280×800から2048×1536へ、CPUもSnapdragon 410からAtom Z3580/3560へ強化されている点で非常に差が大きいと言えよう。
片手に収まるサイズのタブレットに、フルHDを越える324PPIの液晶を搭載したハイエンドタブレットが、ZenPad S 8.0である。
なんといっても素晴らしいのは、解像度324PPI(Pixel per inch)を誇る高精細ディスプレイだ。 駆動方式はもちろんIPSで、178°の広い視野角と高いコントラストも相まって、とても見やすい。 試しにPDFファイルを表示してみたところ、ドット感はまったく感じられず、小さいフォントでもきわめて読みやすい。
スタイラスペンであるが、単6形のバッテリー1本を使用するアクティブタイプのスタイラスペンとなっているため、ZenPad 10およびZenPad S 8.0以外では使用出来ない点に注意が必要である。 パッシブ型とは異なりバッテリーが必要で、重量も増してしまうアクティブ型のスタイラスペンであるが、アクティブ型であるが故、1024段階の筆圧感知にも対応している優れものだ。