“おう!いくぜ!防空巡洋艦摩耶、抜錨だ!”
高雄型重巡洋艦、3番艦摩耶。
末っ子の鳥海と共に、近代化改装工事を実施されなかったのですが、摩耶はラバウル空襲で大破した際の修復時に対空装備を大量に増強されています。
このため、高雄型独特の複雑で重厚な艦橋と、3番砲塔を撤去して対空装備が増設されたハリネズミ的な外見で、高雄型の中でもかなり異彩を放っている艦となっています。
1番、2番艦の高雄と愛宕は軽量化改造を受けて艦橋がかなりスリム(といっても巨大ですが)になっているので、かなり外観が異なります。
高雄をフライホーク製エッチングパーツコンプリートセットを使って作ったためかなり大変だったこともあり、今回はフジミ純正のエッチングパーツを使ってあっさりと作ってみました。
純正のエッチングパーツは真鍮が厚めなので加工がしやすい反面、どうしても厚ぼったく違和感が出てしまうところもあります。
また、25mm機銃はさすがにオーバースケール過ぎでナノトレッドを使ってしまうとかなり違和感がありますが、全てをナノトレッドに置き換えるとかなりの出費になるため、そのまま使用しています。
超絶細かい工作をしたあとは、純正アフターパーツだけであっさりと作りたいのですよ~(手抜きの言い訳
フジミの高雄型ですが、1番艦の高雄だけ全く別のキットとなっており、愛宕、鳥海、摩耶は船体パーツは共通、残りが別パーツとなっています。
細かさで言うと、高雄が一番細かいのですが組みにくさもあります。
愛宕、摩耶は高雄に比べ組みやすいものの、甲板のモールドなどあっさりしているところもあり、やや物足りない気がします。
といっても、アオシマなどと比べると圧倒的な情報量なのはさすがフジミといったところ。
摩耶全景。
艦橋がものすごく巨大です。
3番砲塔が外され、高角砲が装備されているのが姉妹艦と大きく異なる点です。
艦橋周り。
前部マストですが、4本脚のため自作するのにかなり難儀しました。
マストは一気に精密さが増すので自作がオススメです。
メインの支柱は0.5mm、水平に渡しているトラスは0.3mm、たすき掛けになっている部分は0.15mmの真鍮線を使っています。
0.5mmと0.3mmの真鍮線はすべてハンダ付けです。
製作途中のマスト。
元のプラパーツのサイズを参考にしつつ、支柱を真鍮線に置き換えていきます。
造形が複雑なパーツはプラパーツをそのまま流用しています。
真鍮パーツでフルスクラッチした前部マスト。
プラパーツと比べると、圧倒的に細いのが解るかと思います。
マストの自作は効果絶大ですので、めっちゃオススメです。
煙突部分は日本の巡洋艦おなじみの傾斜煙突です。
高雄型は防御区画を短くするために艦橋の下部に煙突が潜り込んでいるのが特長です。
煙突周りの機銃がすべて3連装になっており、対空火力は姉妹艦とは一線を画するスペックとなっています。
飛行甲板まわりは姉妹艦とあまり変わりませんが、クレーン兼後部マストの位置が、煙突側になっています。
近代化改修を受けた高雄、愛宕は4番砲塔側に移動し向きも反対になっています。
艦載機を格納する際にこの位置だと使い勝手が悪かった、とかでしょうか。
後部マストが前寄りにあるので、艦橋の巨大さと相まってバランスが良く見えます。
ウェザリングはいつも通りのお手軽施工。
だんだん濃くなってきたな…
後部マストから艦尾に伸びる張り線、途中で支線がないのでピッタリ平行になるように貼るのがかなり大変でした。
真正面から。
菊花紋章は全てを完成してから、一番最後に取り付ける用にしています。
艦の命を吹き込む…という訳ではないですが、なんとなく、菊花紋章を取り付けると「完成!」って気がするんですよね。
真後ろから。
三座水偵の主翼を削っているので、かなり薄くなっているのがお分かりでしょうか。
マストの高さがあることもあって、縦に長い印象を受けます。
前に作った高雄と、同時に作った愛宕を含めて3姉妹ショット。
左から高雄、愛宕、摩耶の順序です。
こうやって並べると、高雄の細かさが際立っていますね。
斜めから見た三姉妹。
一番奥にいる摩耶が一番巨大に見えます。
高雄でさえ艦橋を初めて見た時はでか!と思ったのですが、摩耶は比にならない巨大さですね。
利根と並べると、なんか利根が軽巡に見えます…
艦橋周りのアップ写真。
高雄と愛宕はかなり似ているのですが、キットが違うこともあってかなりディティールが異なっています。
キットの雰囲気としては、最初の高雄が好きですが…組みにくいのでちょっと大変かも。