SV-2A3EPXについてあれこれ

最近はプラモを作るのは一休みで、もっぱらオーディオと戯れています。
2A3プッシュプルアンプのSV-2A3EPSがいい音過ぎて、いろいろいじるのが楽しくてしょうが無いと言いますか。

SV-2A3EPX

メインアンプの、SV-2A3EPX。
使用している真空管は初段が6SN7GT×1をパラレルドライブ、ドライブ段は6V6×1の3結、出力段は2A3×2を交流点火のA級プッシュプル、整流管は5U4G×1という構成。
トランスはすべてタムラ製で、電源トランスはSPT-150、出力トランスSOT-5P、チョークトランスSCH-515でトランスドライブとなっております。
このため、出力は8Wと結構パワフル。自己バイアスなので2A3を差し替えるだけで好きな管に交換可能です。
シンプルな構成で余計な機能をそぎ落としつつ、初段はパラレルドライブ、ドライブ段も3結、そしてトランスドライブと贅沢な作りになっているアンプです。
現在装着している真空管は、初段がRCA 6SN7(初期の薄型プレート)、ドライブ段はGECの6V6G、出力はKEN-RADの2A3、整流管はRCAの5X4G(吊りフィラメント)となっています。

6V6Gはいくつか試してみましたが、今のところイギリス製のGECがベスト。
厚みを出すならMarconiも良い感じです。
良い音と名高い仏MAZDAは奥行き感が無くなってイマイチでした。

出力管はSOVTEKの2A3も持っていますが、音の雰囲気とルックス共にKEN-RADがお気に入り。
中が見えないので嫌われやすいカーボンスートですが、カーボンの色が真っ黒で、マグネシウムゲッターとのツートンは綺麗です。
吊りフィラメントですので作りも丁寧。

整流管は元々5U4Gの仕様ですが、真空管の価格も高いので配線を変更し、5X4Gとコンパチにしています。
先日RCAの吊りフィラメントの5X4Gが安く手に入ったので、早速組み合わせて使っています。

ノーマルのSV-2A3EPXから改造したのは、下記の点。
・カップリングコンデンサをObbligato Gold Premium 0.1uF 630V ポリプロピレンフィルムコンデンサーへ変更
・中身の電解コンデンサをSPRAGUEのATOM&ドイツF&T社のものに全交換
・6V6Gのパスコンの容量を200μFに強化


SV-2A3EPX

カップリングコンデンサをObbligato Gold Premiumに交換し、6V6Gのパスコンを並列に100μF×2として容量を強化した状態。
黒く存在感を放つATOMが印象的です。
真ん中にある金色のコンデンサが、Obbligato Gold Premium。
カップリングコンデンサを交換した効果というと、一言で表すと芳醇さが増した、って感じでしょうか。


5G4G to 5X4G

吊りフィラメントの5U4Gなんぞ1万円くらいに暴騰しているので、安価な整流管を使えるように、5X4Gとコンパチにしてみました。
といってもそれほど大変な訳ではなく、5U4Gと5X4Gって特性は同一でピン配置だけ異なっているので、3-4、5-6、2-7を繋ぐだけです。
手書きの超適当な配線図と、実際に配線したソケット。
二重線の部分を繋ぐだけですから、簡単でお勧めです。


RCA 5X4G

現在使っている、RCAの5X4G。
購入したものは、片方がカナダMarconi製のOEM品、もう片方はUSA製となっていましたが、構造を見るにまったく同一だったので、両方ともMarconiのOEMである可能性が高いと思います。
製造(検査)はそれぞれ1944年10月と1944年11月。第二次大戦の真っ最中ですな…
両方とも、アメリカ軍向けであるJAN規格の球となります。


6V6G

ドライブ段で使用している、イギリスGEC製の6V6G。
音はどうかと言うと、Marconiのように押しが強いサウンドではないけれど、噛めば噛むほど味が出る感じ。
ヴォーカルの繊細さというか、味わいはこちらの方がワンランク上。これからエージングが進めばさらにまろやかになってくるかも。
ブリティッシュサウンド、と言ってしまうとあまりにも十把一絡げ(十羽一唐揚げ、ではない)すぎですが、Marconiとはキャラクター違っていいですね、これ。


KEN-RAD 2A3

そして出力管はKEN-RADの2A3。
カーボンスートされた球なのでイマイチ人気がありませんが、音は良いですよ。
鳴らしてみた印象は、派手さはなくなりますがヴォーカルとピアノの響きがまったくの別物になり、よりリラックスして聴けるサウンドになりました。
女性ヴォーカルで言うと、少し乾燥気味で響いていたサ行が水で潤したようになめらかになったというか、そんな感じ。
油断すると、聴いていて寝ますね、これ…

いやー、真空管アンプって楽しいですね。
半導体のアンプだと石を換えるのってほぼ不可能に近いですが、真空管アンプは自由に好みの真空管と組み合わせられますし、組み合わせ次第で音の傾向も変わりますから、自分にあった音質にすることが出来るのがなんといっても楽しいです。
今はビンテージ管中心になっていますが、現代の真空管もメリハリがあって良い音鳴らすのも多いので、組み合わせてみるのも楽しそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Website

CAPTCHA


*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください