こちらの方法で紹介しているリノリウム押さえですが、今回は上手な貼り方についてご紹介。
その前に、訂正をひとつ。
真鍮線を伸ばすときに使う真鍮板ですが、真鍮だと金属が擦れたときの汚れが付きやすいので、ステンレス板のほうがいいかもしれません。
ステンレスは固いので、板側であれば金属粉が付くこともありません。
アルミだと柔らかいのでNGです。
真鍮板を使う場合は、表面が汚れてきたらツールクリーナーを使うか、あるいはコンパウンドや#2000程度の紙やすりで表面を綺麗にしておく必要があります。
表面が汚れた真鍮板。
こうなると表面の汚れが真鍮線にもついてしまうのでNG。
光沢を取り戻すまで、サンドペーパーなどで磨きましょう。
試しに、汚れた真鍮板と、綺麗な真鍮板でそれぞれ真鍮線を伸ばしてみました。
かなりの差が出てしまっています。
さて、それでは実際に貼り付けていくことにします。
リノリウム押さえを貼り付ける際には、元々甲板にモールドがある場合はそのモールドに沿って真鍮線をカットします。
真鍮線は少し長めでも問題ありません。
カットした真鍮線を置くときに、微妙にずれているとあとでかなり目立ってしまいますので、きっちりと平行に配置する必要があります。
甲板上のモールドも凸状態なので、すぐにずれてしまうのでかなりストレスがたまります…
そういった場合は、甲板上の突起などがあるときは、先に突起部分側の真鍮線の位置合わせを行い、その後残った側をピンセットで微調整すると良い感じで位置を調整できます。
上の写真では、中心にある水上機運搬軌条に向けて真鍮線を押し当てながら位置を決め、そのまま押し当てながら下側の真鍮線の位置決めを行います。
ぴったりの位置に配置できたら流し込みタイプのプラスチック接着剤を使って固定します。
この際、直接真鍮線に接着剤のブラシが触れると位置がずれてしまいますので、ギリギリすこし手前、あるいは真鍮線に接している構造物に接着剤を流し込むと、毛細管現象で真鍮線にも接着剤が行き渡るので、ズレもなく接着できますのでお勧めです。
完全に接着剤が乾いたあとであれば、クラフトナイフで長さの調整が可能です。
乾かないうちにナイフを当てると、溶けたプラスチックに真鍮線が沈み込んだり、取れたりするので厳禁です。
舷側から0.5mmほどは、手すりを付けるときに干渉してしまいますので切り取っておくことをお勧めします。
交換したばかりのクラフトナイフであれば、押し当てて真鍮線を切断しても真鍮線が取れるようなことはありません。
切れ味が悪いナイフではすぐに真鍮線が取れてしまいますので、ナイフの刃はかならず新品を使いましょう。
接着剤が多すぎで痕になってしまったり、真鍮線がズレて塗装が溶けて消えてしまっても、あとから補修することで目立たなくなります。
エアブラシで塗装したリノリウム面に筆塗りで修正すると、どうしてもそこだけ光沢が変わってしまって目立ってしまいますが、あとからつや消しクリアをコーティングすることで反射を均一にすることができますので、目立たなくなります。
リノリウム押さえを貼り終えたあとは、極細面相筆を使って接着剤で塗装が剥げた部分を補修するとよいでしょう。
上記は先日作った阿賀野の甲板ですが、筆で補修したあとがほぼ解らなくなっていると思います。
初めましてちょも様。
真鍮ブラシを用いてリノリウム押さえを製作する術、非常に参考になりました。
まさに0.1mmのラインが無く、どうしたもんかと思ってる折、ちょも様のサイトを見て感銘を受けました。
今後も色々と勉強させていただきます。
有難うございます。
kumakinoさん:
コメントありがとうございます!
0.1mmの真鍮線、昔は売っていたらしいんですが、最近は市販されていないので困るんですよね…
真鍮ブラシであればホームセンターで手軽に買えるので、ちょっと加工の手間はかかりますが、お勧めです。